受験生なら誰しもが手にする赤本、つまり過去問です。
どうせ使うなら120%フル活用したいとは思いませんか?
大学受験では合格点付近僅か1点差の中にかなりの人がいます。
つまり、実力は変わらないのに数点の差で合否が変わってしまうということです。
そして、実力が拮抗している状況では赤本の使い方が合否の決定打となることも大いにあり得ます。
であれば、可能な限り赤本は有効活用するべきです。
しかし、殆どの人が赤本を完璧に使いこなせていません。
「あー勿体ない」という使い方が大半です。
問題集にも正しい使い方があるように、赤本にも良い使い方と悪い使い方が存在します。
そしてそれはポイントさえ知ってさえいれば誰でも120%フル活用することが可能です。
そこで今回は赤本の使い方を徹底攻略します。
赤本を解く際に意識すること、解いた後に意識すべき事があるのでそれぞれに分けて解説します。
赤本を解く際に気を付ける事
制限時間を厳密に守る
赤本は限りなく本番に近い実戦練習のようなものです。
練習試合とでも言いましょうか。
なので制限時間は厳密に守りましょう。
きちんと測った方が良いです。
受験本番は緊張もしますし場合によっては日頃の赤本演習時よりも時間が掛かる可能性も考えられます。
そして当然、ぴったり制限時間通りで切られます。
制限時間内でどれだけ得点できるかが受験というゲームです。
より本番に近い環境で日頃から赤本を解かないと意味が有りません。
日頃から時間を意識して取り組みましょう。
本番同様に1点に拘る
冒頭にも軽く触れた様に大学受験では、合格点付近にうじゃうじゃ人が詰まっています。
たった数点の差があるだけで、この人よりもあの人の方が断然頭が良いとはならないでしょう。
根本的な学力レベルは大差ないはずです。
しかし、根本的な学力レベルは変わらなくても合格点に達しているかどうかで合否が変わります。
たった1点足りないだけでも不合格には変わりありません。
受験は勝負の世界ですから勝つか負けるか、引き分けはないのです。
であれば、日頃から1点でも高く取れるように赤本を解く際に意識する必要があります。
試験時間内のたった1つの判断で得点が変わります。
これはあくまで赤本だからと、1つ1つの判断・解答に妥協を許すべきではありません。
普段できていない事を緊張する本番でいきなり出来るとは考える出来ではないでしょう。
本番で求められる1点への拘りは赤本活用の際から意識しましょう。
直接書き込まない
後ほど詳しく述べますが、赤本は何度も繰り返すことが望ましいです。
1回解いて終わりでは得られる効果は少なくなってしまい非常に勿体ないです。
何度も繰り返すという前提であれば、赤本に直接答えを書き込むのはおススメ出来ません。
赤本をコピーしてそこに書き込む、もしくはノートに答えを書くようにしましょう。
そのコピーやノートを手元に残しておけば、後々どこを間違えやすいかなど振り返り分析することも可能なので一石二鳥です。
ただ、ノートに答えを書き込む派ですと問題文中にメモをしたいときは赤本に直接書き込むことになると思います。
なのでコピーが望ましいですが、それが叶わないのであれば赤本へのメモ書きは薄く書いて解き終えた後に消せるようにしておきましょう。
そうでないと繰り返し解く際に意図しなくてもカンニング的な機能を果たしてしまいます。
赤本を説いた後に気を付ける事
自分に厳しく復習をする
赤本は解く事よりも復習の方が大切です。
必ず復習を欠かさずに行うようにしてください。
復習にどれだけ力を入れられるかで、同じ赤本を使っていても大きな差が付きます。
そして復習の際は自分に厳しくするようにしましょう。
・ケアレスミスに甘くならない
・勘で正答した問題は誤答として振り返る
ケアレスミスは自分本来の実力であれば正答出来たはずの問題です。
そうなると、どうしても自分に甘く捉えがちになってしまいます。
ただ先ほどもお伝えしたように受験はたった数点でも順位が大きく動きます。
ケアレスミスであろうと実力不足であろうと誤答は誤答です。
もっと言えば、ケアレスミスをすることも含めて実力です。
ケアレスミスで不合格になっても不合格には変わりありません。
受験は点数のみの結果の世界ですから自分に厳しくケアレスミスに対処しましょう。
また、勘で正答してしまった問題は誤答扱いにして復習しましょう。
(点数としては勿論正答扱いで大丈夫です)
勘で正答ということは解答時には絶対の自信がなかったということです。
となれば、次に同じような問題が出た時に再度正答出来るかは分からないですよね?
折角復習をするわけですから、前回は勘で正答だとしても次同じ類の問題が出た時は確実に根拠を持って正答出来るように準備しておくべきです。
この作業を徹底するだけでも、受験本番いざという時に身を守ってくれる率が上がります。
一見すると些細な事に感じるかもしれませんが、塵も積もれば山となるってやつです。
間違えた原因は徹底追及し必ず咀嚼する
問題を間違える時には必ず原因があります。
これは絶対です。
何故間違えたのかその原因を探り、そして心底納得することが大切です。
具体的に言うと、間違えた原因や正答への正しい思考プロセスを自分の言葉で具体化できるようにすることを意識しましょう。
それが知識不足によるものであれば、まずはその知識を頭に入れるしかありません。
知識系は出来るだけその場で覚えるように心掛けるのが得策です。
赤本を解いた直後であれば、問題を解いていて分からなかったという自覚がトリガーとなって頭に入りやすい状態になっています。
とはいえ必ず覚えられるわけではないので、併せてノートなどに書きまとめて毎日のto doとして覚えていくのが良いでしょう。
そして、知識不足ではなく思考プロセスに誤答の原因があった際はじっくり解説を読みましょう。
解説読んで終わりにしてはいけません。
解説を読んだら、改めてその間違えた問題を自分で思考して見直すと効果的です。
解説の解答根拠を問題に当ては目ながら自分で改めて思考することで、解説で書かれている解き方・思考の仕方を体で覚えて身に付きやすくなります。
そして、それを自分の言葉に置き換えてぐたいか出来るようになれば完璧です。
どうしたら時間内に得点を最大化できたか振り返る
入試は時間内でどれだけ得点を伸ばせるかを競います。
なので決められた時間を上手に使う意識が必要です。
意識することは大きく2つです。
・大問ごとの解く順番
・時間を掛けるべき問題とそうでない問題の判別
基本的に入試は幾つかの大問から構成されます。
そして、それぞれの大問には難易度や自分の得意不得意があります。
大問の難易度と自分の得意不得意を把握して、どのような順番(+時間配分)で解き進めると得点を最大化できるのかを考えましょう。
また、大問という大きな括りだけでなく、その中にある1問1問にも時間を掛けるべきものとそうでないものがあります。
例えば、受験生の1%未満しか正しい根拠で正答出来ないような問題は解きに飛ばしてしまった方が得策な時もあります。
受験は総合点勝負ですよね。
めちゃくちゃ難易度の高い問題に正答したから合格できるって訳じゃないです。
意味不明な難易度の問題に時間を割くくらいなら他の問題に時間を掛けて少しでも全体の得点率を上げるほうが合格には近道ってことになります。
ただ問題なのは、この様な判断を問題を解く中で即座に行わないといけないということです。
時間を掛けるべきか否か即座に判断できるように日頃から訓練しておかないと難しいでしょう。
問題を解き終えたら、どういう問題に対しては時間を掛けるべき・掛けないべきなのかをしっかり把握しましょう。
この考え方がしっかりと身に付けば、赤本・問題集を解く際にも上手く順応できるようになっていきます。
出題の意図を汲み取る
過去問、赤本には、その大学・学部の傾向が詰まっています。
傾向というのは言い換えれば、出題者がどんな意図でそれらの問題を出題しているのかということです。
そして出題者の意図というのはマクロ傾向と、ミクロ傾向とに分けて考えることができます。
マクロ傾向というのは、大問に応じた全体としての傾向です。
ザックリ言えば、思考力を問うのか情報処理能力、知識力を問うのかなんていうのは分かりやすい例になるでしょう。(実際にはこんなに綺麗に分かれている訳ではないですが)
マクロ傾向を知る事で、それに応じて日頃の学習で対策することができます。
知識を問う問題が多いのであれば知識を補う学習をすることが効果的であるように、日頃から志望校のマクロ傾向を意識することで得点を効果的に伸ばすことができます。
ミクロ傾向とは、1つ1つの問題の中でその大学が良く用いる手法になります。
例えば、このパターンを使って受験生を引っ掛けさせることが多いみたいなことです。
その手法というのは、受験生を振るいに掛けに来ている事と同義です。
受験生を差別化する為に施してくるトラップのようなものって認識でいいでしょう。
初見でマジックの仕掛けを見破る事は難しくても、タネを知れば簡単に見破れますよね?
感覚としては同じで、相手の手の内を把握していれば「あ、この問題はこれで引っ掛けに来ているな」と見破る事が出来るようになります。
これが出来れば他の人が失点しやすい問題も、自信を持って高い確率で正答に結びつけることが出来るはずです。
上記のようなことを意識して、志望校がどんなことを求めているのか、どんな手法で受験生を振るいに掛けたいのかを分析するようにしましょう。
⇩英語で、出題意図を簡単に汲み取れるようになるには?⇩
自分と志望校の距離感を把握し、その後の対策を立てる
赤本を解くと自分と志望校との距離がハッキリと分かります。
志望校の受験層は基本一定なので、各年で合格最低点を超えているかどうかで自分の位置付けを知る事が出来ます。
これはイコールで自分と志望校の距離です。
距離が分かったら、何をしたら埋まるのかを考えましょう。
そのやるべき事を着実にこなしたら、その先には志望校合格になるような一直線を意識して何をすべきかは考えた方が良いです。
解いた過去問の得失点を細かく分析すると、やるべきことが明確になると思います。
失点分野は自分の苦手なゾーンです。
その失点割合が大きいゾーンから優先的に対策を講じると良いでしょう。
ただ、注意したいのは志望校合格への根本的な基礎学力が大きく欠如している場合は、この様な分析と対策も効果が薄いかもしれないということです。
全て分からないことだらけで解説読んでも何も分からないほど基礎が抜けているとか、得意不得意も把握できないくらいに根本的な土台が無い場合、まずはその土台作りを早急に行うようにしましょう。
基礎が無いと折角赤本を解いても空回りになってしまいます。
⇩やることが決まったら正しいスケジューリングでこなしましょう⇩
高い水準で安定するまで繰り返す
受験は一発勝負です。
点数は高い水準で安定させる必要があります。
仮に出来不出来の上下が大きいと、出たとこ勝負になってしまいます。
年によっては受かるかもしれないし、落ちるかもしれないということです。
出来が不安定だと、たまたま苦手な問題が重なった年では簡単に不合格になる訳です。
そうならないよう、可能なら100回受けて100回受かるくらいの水準で安定させたい訳です。
その高い水準での安定を築くには、繰り返し解くことが重要です。
・繰り返す解くことで再現性が増す
・それまで気付かなかった効率的な解答手法に気付く
まず、繰り返すことによって再現性が高まります。
ある問題の解答に必要な思考プロセスを確実に身に着ける事で、同種の問題が試験で出題された際に簡単に正答出来るようになります。
この再現性は100%を目指すべきです。
一度やった問題は、次やった時に必ず正答出来なければ再現性があるとは言えないからです。
そして、繰り返すことにより初めは気付けなかった効率的な解答手法に出会う可能性が高まります。
いくら過去問分析をしても、数年分を1回解いたくらいでは十分な分析が出来ていないこともあります。
しかし、繰り返し解いていると「あれ、これはこうした方が効率良くね?」とヒラメキのような気付きを得る事があります。
1回では気付けない事も、何回かやっていると気付くことがあるというのは何事でも同じかもしれませんね。
第一志望であれば10年分は解いて、何回も繰り返すことをおススメします。
さいごに
ライバルに差を付けて蹴落とそう
受験というのは勝負です。
勝負ということは勝つか負けるかしか存在しません。
勝つためには出来る事は全部やる。
それも、他の人よりも徹底的にやる事が重要です。
赤本を用いた過去問対策はその顕著な例でしょう。
案外上手に過去問対策を行えている人は少ないです。
これを機にライバルに差を付けて合格できるよう頑張りましょう。
⇩いつから過去問は解き始めたら良いのか?⇩