予備校に行くと「テキストだけで十分です」といった言葉を見聞きします。
僕も1ヵ月だけ某大手予備校の授業を受けていたことがあり、そんなことを言われました。
この言葉の受け取り方には注意が必要です。
真正面から馬鹿正直には受けるとべきではありません。
それは前提に依るからです。
例えば、以下のAさんとBさんで考えてみて下さい。
Aさん:現役時代に志望校に1点足りず落ちた。
Bさん:Aさんと同じ志望校だが、3ランク下の学校にしか受からなかった。
やるべきことは当然異なりますよね?
Aさんには予備校のテキストだけで十分でも、Bさんにも同じことが言えるでしょうか?
BさんがAさんと同じようにテキストだけやって3ランク下から志望校に逆転できるでしょうか?
大雑把に言えばこういうことです。
人によって、どのように受け取るかを変えなければいけません。
今回は「予備校のテキストだけで十分」という言葉の真意について解説します。
必然的に予備校のシステムにも関係する話になります。
・「テキストだけで十分」という言葉に懐疑的なあなたへ
・その言葉の真意とは?
「テキストだけで十分」という言葉の真意
【前提】予備校は弱者は考慮対象外である
予備校というのは、受かるべくして受かる上位層がいれば成立します。
上位層に合格してもらって、あとは合格者数は何とでも水増しできる。
見栄えを整えるにはこれで十分です。
そして、その上位層とは後から作られるのではなく入塾時点で大半決まっています。
進学校出身、地頭が良い、入塾時点で成績優秀、授業料免除で籍だけ置いてるなど。
数字は彼らが稼ぎます。
または早慶合格者数などであれば、難関国立志望者がガッポリ稼いで合格者数でなく合格学部でカウントすれば数字は素晴らしく見栄えが良くなるでしょう。
(1人で3学部合格なら、合格者3名扱いなど)
で、何が言いたいのかということですが。
下位層は、志望校合格に関して予備校の考慮に含まれないということです。
下位層を合格させるつもりはありません。
合格してくれればラッキーではあるでしょうが、下位層の底上げを図らずとも予備校的には問題ないということです。
一旦、予備校の中で上位層とそれ以外に分かれていることだけザックリ理解してください。
この辺は本記事で詳しく説明するつもりはありません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください⇩
強者には十分
強者=上位層にはテキストだけで十分と言うのはあながち間違っていません。
特別な事をしなくても、普通に勉強していれば合格が妥当な人たちだからです。
予備校の合格体験記なんかでは、「テキストと授業が充実していたので、それに終始するだけで十分でした」という予備校からするとお手本のようなコメントがありますよね。
そんなコメントを残してくれる生徒が多い方が助かる訳です。
別に他の勉強を自分で考えてやって下さいだとか、テキストでは不十分ですなんて自らに不利な進言をする必要もありません。
上位層にとっては、テキストで十分という言葉通りに受け取っても問題はないでしょう。
弱者には不十分
弱者=上位層以外、特に下位に位置する層ですね。
この人たちにとっては不十分と思っておいた方が無難です。
無難というのは、不十分と思っておかないと馬鹿見ても知らないよ?ということです。
いくら予備校のクラスが同じでも、上位と下位には大きな差があります。
特に大手なんか行けば、上と下で偏差値が20以上違うなんてことも珍しくはないでしょう。
そのクラスが例年、下位層でもクラスの冠大学にガンガン受かるという高次元なら問題はないですよ?
例えば早慶クラスで、下位1割でも例年合格者は余裕で出ますとか。
下位層でも偏差値70以上は楽勝であるとかですね。
でも実際は、基本的には上位層のみが受かっていきます。
下位はおろか、中位層だってほとんどはクラスの冠になるような志望校に受かりません。
その状況でのんびりテキストだけやっておけば十分なんてことはないでしょう。
どうにか上位層に追いつき、追い抜けでやらなければいけないですよね。
詳しくは後述しますが、他人と同じことやってたら状況はひっくり返りません。
弱者にこの言葉が向けられたときの真意
下位に位置するような生徒の合格が厳しいということくらい予備校だって分かってはいる事でしょう。
じゃあ、その人たちに対して「テキストだけで十分」という言葉が向けられた際の真意はどういうものなのでしょうか?
これは、当たり前ですが「テキストだけで合格レベルになります」ということではありません。
「地に足ついてテキストだけやっておきな」という、ある意味で予備校の優しさだということができます。
下位層にいる人たちは自分でやろうとすれば勉強の仕方も分からない人が多いわけです。
あっちこっちに手を広げて何も身に付かず中途半端になったり、迷走の挙句に成績が1つの良くならないなんてことも不思議ではありません。
もっと言えば、サボり癖が付いて勉強しなくなる人もいるかもしれません
こんな悲惨な状況から救ってくれようとしている訳です。
やるべきことを示し、学習の習慣・最低限の学力向上に貢献して生徒の脱線を防ごうとしてくれています。優しさ以外の何物でもありません。
合格することは難しくても、少しでも成績を上げてもらえるよう気遣っての言葉ですね。
成りあがりたいならテキストだけでは不十分
他人と違うことをやらなければ勝てない
一先ずここまでをまとめましょう。
上位層以外はテキストだけじゃ不十分ですが、「テキストだけで十分」という言葉は寧ろ生と思いの優しさに溢れたものだということでしたね。
これを受けて「いやいや、テキストだけじゃ合格できないのかよ」などと思うかもしれません。
そう思うのも良いでしょう。
ならばテキストに依存せずに自分で勉強しましょう。
そもそも劣位に立った者が戦況をひっくり返すには、他人と同じことをやるべきではありません。
何か他人と違う工夫が必要です。
自分でやるべきことを考え、他の人よりも効率的に大きく学力を向上させましょう。
上手くいけばテキスト依存よりも遥かに速く確実に伸びていきます。
でも、それは全て自己責任で行いましょう。
大きな見返りを得るのにリスクが無いということはありえません。
テキストだけキッチリやれば最低限は向上したかもしれない学力すら失うかもしれません。
それでも、本気でのし上がろうと思うなら自分でやりましょう。
志望校に合格するという意味では、テキスト依存より独学の方がチャンスが大きいのは間違いありません。
⇩逆転合格を本気で目指すなら独知らないと損する話⇩
さいごに
あなたはどっち?
「テキストだけで十分」この言葉は、あなたにとってはどんな意味で受け取るべきでしょうか?
もしあなたが順調に学習を進めている合格妥当レベルなら何も問題ありません。
劣位に立ってこのままではヤバいという立場なら、テキスト依存は止めて自分で勉強するのはありでしょう。
ただ、その「テキストだけで十分」という言葉自体に嘘はありません。
それぞれの身の丈に合った進み方をする上で、「テキストだけで十分」というのは1つの正解だということは覚えておいてください。