英語の長文を読んでいる時、分からない単語が出てきたという経験は受験生ならほぼ全員がした事あると思います。
良くある勘違いですが、大学受験用の単語帳を全部覚えたとしても分からない単語が出なくなるという訳ではありません。
たった2000語程度しか載っていない訳なので、考えてみれば当然ですよね。
そして、英語が苦手な受験生ほど分からない単語が出た時にテンパってしまいます。
その結果、その単語が分からない事自体は問題ないはずだったのに、別の所に綻びをもたらして事を大きくしてしまったり会います。
英語が得意な受験生がみんな「歩く辞書」のような膨大な単語を覚えている訳ではありません。
中には受験レベルを超えて単語を覚えている人もいます(僕もそうでした)が、基本的にはそこまで覚えていない受験生の方が多いし、仮に受験レベルを逸脱して覚えていても分からない単語は出てくるものです。
大事なのは、分からない単語が出た時の対処法です。
これを知っているか、そして使えるかです。
そして、それは日々の学習の中でも養うことができます。
そこで今回は、英語長文の中に分からない単語が出てきたらどうするか、について説明します。
・長文で分からない単語が出た時の対処法が分かる
【前提】初めに知っておかなければいけない事
ベースは無いとどうにもならない
英語長文を読む中で分からない単語が出てくること自体は、どこまで行っても付いて回るものです。
ただ、分からない単語だらけとなると話は別です。
大学受験、特に難関大学になればある程度のベースは必要です。
一つの単文の中に3つも4つも分からない単語が出てくるようじゃどうしようもありません。
長文全体でどれだけ分からない単語があるんだって話になってしまいます。
もしも、志望校の過去問を解くなどして、分からない単語だらけであった場合は根本的な単語レベルが志望校で求められる水準に達していないということになります。
まずは最低限として大学受験用の単語帳一冊はきちんと頭に入れておきましょう。
このレベルの単語帳は出来たらライバルより優位になるというよりは、出来ないと劣位になるという認識の方が正しいと思います。
これがで出来ていないのであれば、まずはそこから。
そこは大丈夫!という人は、分からない単語への向き合い方を学んでいきましょう。
どこまでも覚えないといけないわけではない
知っている単語量が多ければ多いほど良いというのは、疑いようがありません。
一つでも多い方が良いに決まっています。
単語を知っていれば、何も考えずともその訳がすぐに分かります。
無駄な時間も手間も掛ける必要がありません。
じゃあ、どこまでも覚えなければいけないのかというと、そんなことはないです。
大学受験でも超ニッチな専門用語が出てくることがあります。
でも、それは分からないことが前提で直接は得点に絡んでいなかったり、得点に絡んでいても前後の文意から推測できるかどうかを試していたりするものが多いのです。
知っていればそりゃ話は早いですが、知らなかったからダメとか不利になるなんてことはありません。
大半の受験生がそこまでは仕上がっていないので安心してください。
受験レベルを逸脱した単語を覚えるのは、他の全ての準備が万全になって時間がある時に限ります。
そうではない状況なら、そんな高度な単語に時間を割かず他のやるべきことに時間を使いましょう。
分からない単語がある事は当たり前だと思っておく
ある程度単語レベルのベースが仕上がっても、また受験レベルを超えた単語を身に着けても、今後長文を読む中で分からない単語が1つも出てこないってことはないです。
分からない単語の量が多いか少ないかという差の問題に過ぎません。
なので、分からない単語が出る度にビクつく必要はないですし、出てくるのが当たり前だと思っていてください。
そして、その時々で出来る最善の対処を冷静にすることだけ考えましょう。
分からない単語があっても対応さえ間違えなければ恐れる事はありません。
【本題】分からない英単語が出てきたときの対処法
考えるべきは2つ
文中に分からないことが出てきたときに考えるべきは以下の2つです。
・推測する
・無視して戦略的に読み飛ばす
推測するっていうのは誰しもが思いつくことでしょう。
でも、どうやって推測するんでしょうか?
推測してって言って誰もが簡単に推測できるなら苦労はないですよねw
推測するにもやり方があります。
その具体的な推測の仕方やコツは後ほど説明します。
推測の次に、無視し読み飛ばすという可能性も視野に入れて下さい。
推測できない場合もあるかもしれないですし、推測できたとしても敢えて推測しない方が良い場合もあります。
もっと言えば、推測自体無駄でその単語の意味を知る必要が無いってことも有り得ます。
一旦ここでは、分からない単語が出た際に取るべきは2つのやり方があることだけ押さえておいてください。
以降で、それぞれについて説明していきます。
具体的な推測の仕方の基本
ここでは、推測の仕方について説明します。
文中の単語を推測する際、大きな流れは以下のようになります。
・分からない単語以外で、その文の大まかな意味を把握する
⇩
・把握した大まかな文意に基づき、前後の文意に沿って推測する
まず、単語が分からなかったとしても、分からない単語以外でその文から汲み取れる意味は大まかにでも汲み取りましょう。
例えば述語動詞が分からなかった時、そこで立ち止まるんじゃなくて以下のような大枠を作って下さい。
「A君はリンゴを??した。」
??が分からなかった述語動詞です。
一旦は、このように大まかにでも良いので意味を掴みましょう。
ただ、これだと「リンゴを買った」「リンゴを投げた」「リンゴを食べた」など推測するには可能性が広すぎます。
なのでこの段階ではまだ推測は行わずに、??のままにしておいてください。
ここで下手に推測して埋め込んでしまうと、それ以降の文章を誤読してしまったり、後から再度同じ個所を読み直す二度手間になりかねません。
そこで、正しく推測を行う為に前後の文意に沿って考える必要があります。
明日はA君のお母さんの誕生日だ。
そこで「A君がリンゴを??した。」
そして、明日に向けてアップルパイを作った。
これならリンゴを買ったとか、調達した感じのニュアンスになるでしょう。
もしA君は1日何も食べてなくてお腹が空いていたとかなら「食べた」でしょうし、兄弟げんか的な文脈なら「投げた」かもしれません。
このようにして、推測は必ず前後の文意を見て判断するものであるべきです。
そして推測を行う際は大まかにで大丈夫です。
完璧にっていうのは恐らく無理でしょうw
なので、その単語の持つ意味を完璧に当てるというよりはニュアンスの方向性を定めるという認識になります。
ただ、推測を行うには前後の文意を正しく読み取れている必要があります。
これは即ち、高い英文解釈力が問われるということです。
もし英文解釈に自信が無ければそこは出来るようにしておいた方が良いでしょう。
推測のコツ:プラスかマイナスか
推測して、その単語の持つニュアンスの方向性を決める上で知っておくと役に立つポイントがあります。
それは、プラスかマイナスかということです。
このプラスとマイナスのニュアンスさえ取り違えなければ、単語が分からずとも大けがはしません。
例えば、it sounds 分からない単語 but 悪い事の列挙 だったら考えやすいのではないでしょうか?
butの後ろに悪い事が掛かれているので「良さそうに見えるけど実は良くない」という流れになり、単語の意味が完璧には分からずともプラスのニュアンスを持つ単語であることが推測できます。
また、この例のように大学受験の英語長文では二項対立が組み込まれています。
同じ論調で終始書かれるというよりは「こんな効果もあるけど、実はこうだった」のように、二面を持たせた文章になる傾向が強いんです。
文全体の大きな流れと転調(butとか)を意識して前後の文章を読むことができていれば、少々単語が分からないことがあっても単語の持つニュアンスの方向性はつかめるはずです。
推測のコツ:単語の字面、形
その単語自体が分からないものだとしても、単語の字面や形から意味を推測することは可能です。
impressionというのはメインの意味としては「印象」ですよね。
一方で、impressiveは「印象的な」って意味の形容詞です。
impressionを知っていれば、impressiveの意味を推測することは難しくないと思いませんか?
iveで終わる単語は基本的には形容詞ですし、その字面からimpressionの派生語であることが容易に想像できます。
impressionの持つイメージを形容詞化して考えれば、「印象的的な」という言葉自体が出てこずとも「印象を与えるような」くらいに考えられれば文意を取る程度上では差し支えありません。
また、接頭辞や接尾辞からも単語のニュアンスを導き出すことができるでしょう。
接頭辞というのはこんなやつですね。
こんな風に接頭辞+セットの単語から、意味を推測することができます。
また、この接頭辞は単語の頭ですが、逆に接尾辞という単語の語尾からもヒントを得ることができます。
たとえば、~ableで~出来るになります。
accept+able=acceptable(受け入れることができる)、acceptable amountで許容量みたいに使います。
これらのように、知っている知識を掛け合わすだけでも単語を推測するチャンスが大きくなります。
なので日頃から、各単語のイメージ、品詞ごとの形、接頭辞や接尾辞に対するイメージにまで意識を持てると良いかもしれません。
推測の注意点:分からない単語が副詞だった時の推測
副詞が分からなかった時は慎重になりましょう。
文構造上は副詞が無かったとしても成立しますよね?
・それは間違えている
・それは絶対に間違えている
「絶対に」が副詞になる訳ですが、これがなくても「それが間違えている」ことは分かると思います。
だからと言って、副詞が分からなかった時に、その副詞を外して考えればいいやというのは非常に危険です。
その副詞が否定的な意味だった場合は真逆のシナリオになりかねません。
たとえば、I rarely smokeだと「滅多にタバコを吸わない」になりますよね。
raelyが分かんないからといって、それを外して考えるとニュアンスが結構変わります。
誤ったニュアンスで解釈してしまうとその後を読み進める際に障害となったり、そのニュアンスを設問で問われたりしたときに厄介です。
「副詞は無くても文自体は成立するから意味は取れる」と安直に考えることはせず、フラットな気持ちで前後の文意からそのニュアンスを決定しましょう。
無視して戦略的に読み飛ばす
無視して読み飛ばす勇気も必要です。
分からない単語を推測するというのは、あくまでその長文問題でしっかり得点するための手段に過ぎません。
にも関らず、単語が分からないからと動揺てその後を読み違えたり、その単語の推測に拘り過ぎて時間を無駄に消費してしまっては本末転倒です。
そうなるくらいなら読み飛ばしてしまってください。
時に、長文の一文目に超難しい単語が含まれていることがあります。
これは受験生の出鼻をくじく脅しのようなもので、ここで焦り始めたり心が折れたりしては出題者の思うつぼでしょう。
その段階では分からずとも読み進めていくうちに、もしくは全文読み終えた時には推測できるかもしれません。
また、文中でも得点に絡まない形で難単語が出ることがあります。
分かればベストですが、その単語の意味が分からなくても全体の意味や得点には支障がありません。
読み進めて、問題を解き進めていくうちに、その分からない単語がその長文の、もしくはその問題のキーワードであるかどうかが見えてきます。
そこで必要なら、改めて立ち返って考えれば大丈夫です。
多くの時間を掛けて推測するという行為は、その単語が設問に直接絡んでいない場合は基本ナンセンスです。
その一語が分からないとしても、他の分が適切に読めれば文全体の意味を把握していく上ではカバーできます。
読み飛ばす勇気と、その判断を瞬時にできるよう日頃の学習から意識しましょう。
文中で分からない単語が出ても調べながら読まない
分からない単語が出ることは常です。
なので、日頃からそれらが出た時にどうやって対処するかという練習をする必要があります。
本番でいきなり推測するなんていうのは難しい話なので。
となると日頃長文を読んでいる際に、分からない単語が出たからと言ってすぐ調べることはお勧めできません。
分からずすぐに調べたくなる気持ちは分かりますが我慢しましょう。
その場ですぐに調べてしまうと、推測する力や場合によっては読み飛ばすべき状況判断能力が身に付きません。
そして、いざ本番でそれらが必要になった時に爆死してしまいます。
長文を読み終えた後、問題を解き終えた後に調べるのは勿論良い事ですが、それまではその時自分に出来る最善をする習慣を付けておいた方が本番を意識した有意義な学習になるでしょう。
分からなかった単語は後から覚えるべき(場合による)
覚えている単語量は多ければ多いほど良いのは言うまでもありません。
なので、僕は分からなかった単語は極力覚えるようにしていました。
でも、これは人によってどこまで覚えようとするかは異なります。
たとえば医療の専門用語が出てきたからといって、そんなのまで全部無理に覚える必要はないでしょう。
日本語でも馴染みのない訳を持つ単語の優先度は限りなく低いです。
相当ニッチな単語ですら得点に直結する出題する可能性のある大学を志望して、かつ英語は勿論その他の受験科目も仕上がっているという人だけが覚えれば良いでしょう。
そうでないなら他のやるべきことを優先する方が良いです。
全てを律義に覚えようとするととんでもなく時間が掛かります。
頻出単語だけど忘れてしまっていたとか、これまでに何度か見たことがあるというものについては極力覚えた方が良いでしょう。
またどこかで、もっと言えば志望校の試験で出てきてもおかしくありません。
さいごに
慣れれば簡単に対応できる
日頃から分からない単語が出てきたときにどうするのかを肌感として掴んでおけば、いざって時にも対応は難しくありません。
大切なのは自分の感覚として理解できていることです。
今回お伝えした内容を頭で分かっているだけでは実際には使えないと思っていてください。
いちいちどうすれば良いのかを考えるよりも前に、頭で瞬時に判断できるよう日頃から意識して積極的に取り組むようにしてみて下さい。
気付いた時には、簡単に対応できるようになっているはずです。
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