「単語帳では分かるのに長文だと単語が分からない」
はい、これ英語がまだ出来上がっていない人、つまり苦手な人にあるあるです。
この字面だけ見ると何で?って感じですよね。
単語帳で分かるなら長文でも分かりそうなものですから。
だからこそ受験生を苦しめるんです。
覚えているっていう自分の認識・感覚と、長文で出てくると分からないという現実の狭間に立たされています。
読み進めてもらえれば分かりますが、この原因は超シンプルです・・・
そこで今回は「単語帳では分かるのに長文になると分からない・思い出せない」について謎を暴きつつ、どうすれば長文でも分かるようになるのかを解説します。
・「単語帳では分かるのに長文になると思い出せない」というあなたへ
・その原因と解決策、及びその補足情報が分かります。
【結論】単語帳を”完璧”に出来ていないんだよ
片手間でも単語を見たら必要な情報が全て頭に浮かぶレベルでないと使えない
・見出しの訳
・一語一訳ではなく、その単語が持つ記載されるすべての意味
・品詞
・自動詞・他動詞
・派生語
・関連する前置詞
・上記全てが単語を見て1秒以内に全て頭に浮かぶこと
単語帳を完璧にするっていうのはこういうことです。
必要な情報を全て覚えているのは大前提。
そして、それらは単語を見て1秒以内に全てが頭に浮かぶ必要があります。
1秒以内に全て頭に浮かぶ=反射のようなものです。
つまり、単語を見たら必要な情報が全て反射的に頭に浮かんでくる状態でなければいけません。
反射的に頭に浮かぶってことは、脳のキャパを思い出すことに使わずとも片手間にでも出てきてしまうくらいの余裕があるって事になります。
この水準にないと正直使い物になりません。
何故なら、長文を読む際には単語の必要な情報を思い出すことに大きなキャパは割くことができないからです。
長文を読むときは、意味を取り問題を解くことにキャパが使われます。
単語帳をやっている時は情報を思い出すことにキャパが使われます。
しかし「○○しながら××する」みたいな時は必ずどちらかに偏ってキャパが多めに割かれてしまいます。
長文に取り組むときはそこにキャパが多く使われるため、単語の情報を思い出すキャパが単語帳学習をしている時よりも小さくなります。
その中で、長文に出てくる単語を処理しないといけないんですね。
簡単に言うと長文を読むときは単語帳をやってる時よりも思い出すのが苦手になる訳です。
それを踏まえると、日頃単語帳をやってる時は片手間にでも余裕で頭に浮かぶくらいになっていないと”いざ”って時に使い物にならないってことです。
それに長文の中では文脈に合わせて訳を当てはめなければいけなかったりします。
例えば名詞ではAという訳、動詞ではBという訳のようなケースです。
先ほどの話に則って考えると、「ここでは動詞だから意味はえ~っと」なんて考えるようでは負荷が大きく思い出しにくいのも当然です。
動詞だと分かった瞬間にBという訳がパッと頭に浮かぶようでないといけません。
ここまでで既にお分かりになる事でしょう。
訳だけでなく単語帳に記載される覚えるべき情報は全て、どんな状況でも頭に浮かんでしまうくらい体に染みついていないといけないってことです。
「見たことあるのに」と感じる事が覚え切れていない何よりの証拠
あなたは、単語帳では分かるけど長文になると思い出せないと分析しているかもしれません。
しかし、長文を読む中で「この単語見たことあるのにな」と感じてしまう時点で覚え切れていない=準備不足である何よりの証拠です。
例えば、baseballは”野球”という意味ですよね。
これを「見たことはあるのにな」って思う事はありますか?
やばい意味が出てこない!ってことあります?
無いですよね。
覚えるっていうのはそういうことです。
先ほどもお伝えしたように、どんな状況でも頭にパッと訳なんかが浮かんでこないと使えないんですね。
「見たことはあるのに」と思ってしまうってことは、その単語は勉強したはずなのに然るべき水準にまで落とし込んで覚えられていなかったということに他なりません。
これは端的に言えば準備不足ってやつです。
その時点で、あなたの「単語帳では分かるのに」という分析は的外れになります。
単語帳を”完璧”に出来ていなかったから、長文で思い出せないんです。
不思議でもなく凄く妥当ですよね?
単語帳では分かるけれども長文になるとわからない・思い出せないと感じた事は、あなたが単語帳を完璧にしていなかったという裏付けになっています。
効率良く勉強してサクッと単語帳を完璧に
まずは、ここまでをまとめます。
単語を覚えているというのは、どんな状況でも単語を見たら必要な情報が反射的に頭に浮かぶ状態です。
そして「単語帳ではわかるのに長文だと分からなくなる」というのは、この然るべき状態に持っていけていないことが原因です。
となればやる事は1つ。
単語帳を完璧にすることです。
ただ、口では言うのは簡単でも実際は簡単じゃないです。
多くの場合は、そこまでやり切れないか、そこに膨大な時間を費やすことになります。
そりゃそうです。
大学受験用単語帳は2000語前後が収録されていることが多いですが、その量の単語と付随する情報を見た瞬間に楽勝で分かる所まで持って行くのですから出来ない人がいても驚きはありませんよね?
であれば、あなたもそこまで完璧にすることは出来ないかもしれません。
今だって実際出来ていないわけですから。
そうならないためには、効率的な覚え方をしなければいけません。
「覚えるぜ!」と根性論的に闇雲にやっていても地頭や先天的な記憶力が備わっていないと苦労するのは目に見えています。
そこで1つ単語の覚え方を共有します。
僕が勉強を始めた時にskinを「ハゲ」と訳してから10か月で英検準1・1級単語帳まで完璧にした覚え方です。
もしも、あなたが自力で効率的な覚え方を考えるのが難しそうなら参考にしてみて下さい⇩
【ズルい英単語】大学受験なのに短時間で英検1級単語帳まで完璧にした覚え方 - K.O diary
【補足】単語帳を覚えるだけでは実戦仕様に出来ないのでは?という疑問
さて、メインの話は既に終わりです。
ここまでにお伝えしたことを意識して単語帳を完璧にしてください。
ここからは補足です。
単語帳を覚えるだけでは実戦=長文仕様にならないのではないか、という疑問に関しての解説です。
以下の2つを扱います。
・場所で覚えてしまうのではないかという不安
・例文や辞書で都度用法などを確認して覚えるべきか
あくまで細くなので読み飛ばして貰っても大丈夫です。
気になるようであれば読んでいってください。
場所で覚えてしまうのではないかという不安
「単語帳って場所で覚えてしまう」と思ったことが1度はあるのではないでしょうか?
僕も同じように思ったことがあります。
何度も繰り返しやっていると、前後関係など単語とは別のトリガーで覚えちゃっているんじゃないかと頭をよぎるかもしれないですね。
これ全然問題ないです。
「場所で覚えたせいで長文で出てきて意味が分からなった」というのは、その単語の意味が分からなかった理由を後付けで”場所で覚えたこと”のせいにしようとしているだけです。
でも実際にはちゃんと覚えられている単語もある訳ですよね?
その単語帳に記載される全ての単語に関して、単語帳では出来るのに長文内で出てくると分からないっていうなら、その理由を”場所で覚えたこと”に見出すのも頷けます。
でも、そういう訳ではないですよね。
その単語帳に記載される単語の中でも、長文で出てきたときに分かるものと分からないものがあるはずです。
これは単に、覚えられているものと覚えられていないものがあるっていう至極簡単な話です。
長文で出てきても分かる単語がある以上は単語帳でやったからと言って、長文で出てくると分からなくなるってことにはなりません。
覚えられているものは覚えられているんですから。
なので長文で出てきたときに意味が分からなかった、というのはシンプルに覚えていないだけです。
それは”場所で覚えたせい”とかじゃなくて、ただ覚えられていなかっただけということです。
全ての単語を同じ数だけ繰り返しても頭に入りやすい単語とそうでない単語があります。
例えば単語帳を10周したとしましょう。
ある時に一斉に全ての単語が頭に入るって訳じゃないですよね?
3周した時に覚えられている単語もあれば5周した時に覚えられた単語もあって、10周しないと覚えられない単語だってあると思います。
「場所で覚えたせいで長文で出てきて意味が分からなった」と感じたとしても、シンプルに上記のような現象が起きているだけです。
後付けで”場所で覚えたせい”だと何かしら覚えられていない理由を見つけようとしているに過ぎません。
実際に覚えられている単語と同じように、覚えるまで繰り返せばいいだけです。
長文になると分からなくなるのは”場所で覚えたせい”でも何でもありません。
先述したような”完璧”に覚えるって水準に達していなかっただけなので気にせず繰り返し何周も行ってください。
そうすれば長文の中でも単語を見た瞬間に必要な情報を脳から取り出せるはずです。
例文や辞書で都度用法などを確認して覚えるべきか
あなたが「単語帳で分かって長文で分からない」その原因を、用法を確認していないからとするのは誤りです。
用法を確認していないから、ではなくシンプルに単語帳を”完璧”にしていないからでしかありません。
例文や辞書を用いて用法を確認していないから、ではないです。
もちろん用法を確認した方が長文で対応しやすくなる単語もあります。
例えば、companyは「会社」という名詞で使われることが多いが「一緒にいる相手」という意味も持っています。
僕は受験勉強をして初めて知った時に「一緒にいる相手ってどういうことw」と直感的にイメージを持つ事が難しかったです。
その際、用法を確認することが役に立ちました。
you are good companyで「君は良き一緒にいる相手」=「一緒にいると楽しい」という使い方を見て凄く腹落ちさせることができたからです。
このように、用法を確認しておくと長文で出てきたときに対応しやすくなる意味を持つ単語は確かにあります。
なので用法を調べるなというつもりは無いし、役に立つことがあるというのも分かっているつもりです。
ただ、この様な単語は非常に限定的です。
大半の単語は単語帳の覚えるべき情報を”完璧”に頭に入れておけば長文でも問題なく処理できます。
「~を達成する」という他動詞を覚える時に用法なんて調べなくても、それさえ覚えておけば長文で出てきても当てはめるだけで対応できますよね?
実際は、このようなタイプの単語が大半です。
なので、長文になると単語が分からないというのは単純に然るべき水準で単語帳を覚えていないからに他なりません。
にも関わらず、必要以上に全部の用法を確認していたら現実的にどれだけ時間が掛かるか分からないです。
もしも、用法を確認するにしても必要に応じて限定的にするべきです。
そして用法を確認するべきどうかかの基準は”単語帳の情報を直感的に掴みきれる”かどうかで考えると良いでしょう。
大半の場合は単語帳に記載される情報は直感に反していないので、そのまんま頭に入れるだけで長文に出てきた際にも対応できます。
単語帳の情報が直感に反していると、確かに長文で出てきたときに対応しにくいとは思うのでその場合に用法を確認するのはアリでしょう。
ちなみに僕は英語の河合塾全統記述で偏差値80越え、慶應法の問題も9割くらいは得点出来ていましたが原則として単語を覚える際に用法は意識していません。
そもそも例文なんて読んですらいないですし、「こんな風に使うんだ」なんて気にも留めずに単語帳の情報を”完璧”にすることだけ考えていました。
例文を読んだり用法なんかを調べるのは、ふと気になった時だけ。
感覚的には数百~千語に1つもあるかどうか、滅多にそんなことしていません。
なので必要以上に固執することなく、とにかく何よりもまずは単語帳を”完璧”にすることを第一に考え、ごく稀に必要に応じて使い方を調べるくらいで長文でも単語が分かるようになるはずです。
さいごに
まとめ
・単語帳が完璧になっていない
・「見たことあるのに」って時点で完璧にできていない証拠
・効率良く勉強して完璧にしよう
・「場所で覚えてしまう」というのは見立て違い。単に覚えているのと覚えていないのがあるだけ
・用法は単語帳に記載される情報が直感的に入ってこない時だけで良い
本当に単語帳を完璧にしているなら、長文になった時に分からなくなるなんてことはありません。
長文になると分からなくなる程度にしか覚えられていないってことです。
なので何よりもまずは単語帳を完璧にしてください。
その際に、場所で覚えてしまうとか気にする必要は無いし、用法なんていうのも必要に応じて調べるだけで結構です。
その単語を見たら必要な情報が反射的に頭に浮かぶ状態を目指して取り組みましょう。
これさえ出来れば今あなたが抱えている悩みは解決されるはずです。