ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・質問:慶応法学部の会話問題、語彙推測問題、インタビュー問題が苦手です。
・質問の背景:長文は毎回2、3ミスで済むにもかかわらず、会話、語彙、インタビューの点数がひくく、合格点に乗りません。
・自分はどう考えているか:文章をしっかりと読めていないため、推測できてないと考えています。現に読めた年の問題は会話、語彙、インタビューは7〜八割超えています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こういうご相談を頂いたので共有。
もしかしたら既にお伝えしていることもあるかもしれません。
その場合は読み飛ばしてください。
基本は回答したままのコピペなので、
少々読みにくかったらすみません。
(何の話か分かるように目立つようにはしました)
以下、回答。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仰る通り、読めてるかどうかは勿論大きな要素です。
実際にそれが点数に表れていらっしゃる訳ですよね。
読めてる時は解きやすい。
読めてない時は解きにくい。
その程度次第では壊滅する。
これは本当に仰る通りだと思います。
その上でも幾つか考え方のコツみたいなものはあるので、お伝えしておきます。
全部丁寧に書くと長くなりすぎるので一先ず簡単に。
会話問題。
まず基本は展開を追ってついていくこと。
何かを説明したりするっていうよりはやり取りですから、その点は少し長文と違うかもしれませんが、ちゃんと展開を追っていくという本質自体は変わらないです。
ただ場面や状況を押さえる意識でやると、やりやすいと思います。
どんな状況で、どんな話をしてるのか。
やり取りの情景を思い浮かべる。
そんな感覚ですかね。
そういう意味で言うと堅苦しく文構造を取るとか、直訳的な感じで訳していくと対応しにくいかもしれません。
まずはこんな感じに流れを掴んでいけてること。
あとはイディオムや表現、前置詞に対するイメージ。
どちらも過去問固有でどうこうというよりは、日頃の勉強に依存する感が割と強いです。
基本的にはそんなに難しいものばかりじゃないので、やることやってれば見た瞬間に瞬殺できる問題も沢山あるし、前置詞のイメージを持ててたりするとアプローチしやすくなったりする。
この辺がしっかり出来てれば割と簡単な問題です。
ただイディオムや表現は「そんなの知らねーよ」みたいなのが出ることもぼちぼちあります。
この場合は答えられるところから答えていって、選択肢削った上で最悪勘に頼ることになります。
これは別に出来なくても良い問題なので、そこの見極めや判断は過去問解く中で養いましょう。
そんなのに時間かけるのは勿体無いですし、満点取る必要ないですからね。
語彙推測。
これでまずやるべきことは品詞の把握。
下線語彙の品詞と選択群の品詞は一致します。
だから下線の語彙が名詞なのに、形容詞の選択肢が答えにはならないってこと。
下線語彙の品詞と同じ品詞の選択肢が正解の候補になります。
まずはこうやって品詞から選択肢を絞る。
すると10個選択肢がある中で、3択くらいにまでは削れるはずです。
選択群の品詞をサッと見極められるほど効率的に絞れるので、その練習はしておくと良いと思います。
もし選択群の品詞がそもそも区別できないとかなら、そこから練習しましょう。
品詞を絞ったら文脈。
これを正確に押さえられていたら言うまでもなくそれがベスト。
品詞で絞った中で文脈的に当てはまる選択肢を選ぶ。
けど文脈が厳密に分からずともザックリとプラスマイナスの方向性で考えたら解けることは多いです。
役に立つ、役に立たない。
体に良い、体に悪い。
良いニュアンスと悪いニュアンスくらいに考えてください。
そのニュアンスの方向性さえハッキリさせられていれば、正確に文意を掴み切れていなくても「流れ的に悪いニュアンスは入らないだろう」みたいな選択肢の絞り方には役立ちます。
日本語で置き換えると分かりやすいかもしれません。
彼は暴飲暴食をしてた。
だから〜になった。
〜は激太りかもしれないし、糖尿病かもしれないですよね。
でも少なくともザックリと良くないニュアンスが入ることは想像つくと思います。
上記の例だと、「〜になった」の前後で状況の説明が入ったりしてそこが厳密には解答の根拠になることが多いと思いますが、その説明が良く分かんなくても良くないニュアンスの意味が入ることは一文目から分かると思います。
だから、選択肢を品詞で絞った後に他がプラスの意味とか、プラスもマイナスもない意味ばかりなら、マイナスの意味を持つ選択肢に絞れる。
とまあこんな感じです。
後はあんまり多くはないけど接頭辞や接尾辞。
慶應法2020にあるincontrovertibleとかは、どちらもまとめて説明できる良い例。
接頭辞in +○で、○の否定(反対・逆)の意味になることは多々あります。
だからcontrovertibleを知ってればすぐ解ける。
またはcontrovertibleを知らなくても、controversialを知ってれば、それの〜able(接尾辞)の形なんだと判断できて、「物議を醸す」→「物議を醸しうる、議論の余地がある」となり、その否定・逆の意味になると考えることができます。
仮にどちらも知らなくても、この考え方が出来るだけで形容詞の中から否定に近いニュアンスのものに絞りやすくなったりはする。
でも接頭辞inが必ず否定の意味になる訳じゃないので、そこは文脈との兼ね合いを確認することは必要。
そして当然なのですが、controvertibleやcontroversialを知ってたとしても文脈的に整合的かどうかは念のために一応確認はした方が良いです。
それは、そもそも意味を知ってると判断した単語でも念のためにした方が良い。
時間がよっぽどないならその限りではないですが、石橋はある程度叩いた方が無難です。
後述する通り芋づる式に失点するので。
問題の形式的にその単語を知らないと解けないと思われがちです。
でも全然そんなことありません。
仮に下線の語彙を一つも知らなくても余裕で高得点取れる。
対策とテクニックがめちゃくちゃ活かせるタイプの問題です。
インタビュー。
何の話、話題をしているか。
つまり話の軸・テーマを掴むことですね。
インタビューは双方のやり取りが繋がる訳ですから、何を軸にして繋がっているのかに注目すると考えやすいです。
そこで気をつけた方が良いのは以下3点。
時制
代名詞
疑問文
まず時制。
昨日何してた?に対して、
今日は学校だよとはなりませんよね。
今日は学校だけど昨日は友達と遊んでた。
こういうのはあると思いますが、あくまで話の軸は昨日なはず。
話のテーマの時間軸がズレてたら会話が成立しないですからね。
次に代名詞(theも含む)
双方のやり取りでまたいでではなく、片方の発言の中での何かを受けてそれらが使われる場合もあります。
けど発言内容が汲み取れてれば、そこの区別はできるはず。
そうじゃない場合の代名詞やtheが重要。
それが何を指しているかは、回答の大きなヒントです。
〜さんが書いた〇〇って本に影響を受けて〜みたいな応答側の発言に対して、"その本"(the bookかit)はどこで知ったんですか?みたいに質疑側に繋がっていきますよね。
それが話題の軸。
だから代名詞や指示語が何を指しているかは選択肢を絞る大きなヒントになる。
疑問文。
そもそも疑問を投げかけるってことは、何か聞きたいことがあるからですよね。
その聞きたいことが話の軸。
例えば
それはどんな状況だったんですか?に対する状況説明。
彼はどんな人だったんですか?に対する、人物の説明。
この賞を取れて嬉しかったんじゃないですか?に対する、心情の説明。
みたいな。
上二つは5w1h的なやつなので、話の軸が見つけやすい。
3つ目はyes.noで答えられるタイプの質問ですが、必ずしもyes.noで応答が始まるとは限りません。
この賞を取れて嬉しかったんじゃないですか?に対して、「いや正直ね、厳しいと思ってたよ」みたいに始まるかもしれない。
けど必ず話は噛み合うようになってるから、賞を取れて嬉しかったかどうかを軸に読み進めてその対になる返答を探す感じ。
こんな感じで話の軸・テーマに気を付けて解いていく。
その上では、発言単位ではなく全体として何の話をしてるのかを初めに押さえておくと考えやすくなります。
まずは話全体での大枠のイメージを持つってこと。
そのために応答側が何者なのかを先に確認して、次に質問側の発言を問題解く前に一通り読む。
例えば応答側が俳優であることがわかり、質問側の発言から何か賞を取ったことに関する深掘りが話の骨子だと分かれば、いきなり問題解くより考えやすくなるよねってこと。
その骨子の中で、色んな話題を話してるわけですからね。
初めに骨子すら掴めてないと何についてのインタビューなのか分からず頭の整理もしにくいし、そこを探る無駄な時間や労力がかかっちゃうので。
後は冒頭と締めで挨拶があったりするので、そういうのがあれば簡単に答えられるのでラッキー。
インタビューは今回の3つの中でも慣れが凄く大きいと思います。
こことここが繋がってるなって感覚を掴めるまで練習することをおすすめします。
要するにここで書いたことを頭で分かっただけではなく再現性を高める練習です。
まあ程度の差があるだけで他2つもそうですけどね。
補足
慶應法だと一個間違えると芋蔓式で間違える問題がありますよね。
それこそ語彙推測やインタビューなんかは顕著です。
だから我慢は覚えた方が良い。
「これだ!」って思って飛び付いたら実は間違いで、他も連鎖的に間違えるみたいなのは最悪です。
だから絶対に飛びつかない。
まずは確実に埋められるところから埋める。
それも飛びつくんじゃなくて選択肢全体との兼ね合いを見たり慎重にやる。
少しでも迷ったら、その時点では保留にする。
勿論、その時点で検討がついてないのも保留。
まずは慎重に確実なものから選択肢を削れるだけ削る。
そこから残った選択肢の中で考えていく。
安易に飛びつくのは御法度ですが、だからと言って慎重ゆえに時間をかけ過ぎれば時間が足りなくもなります。
だからそういう塩梅をつかむことも過去問の中でやらなきゃいけません。
補足2
冒頭で触れた通り、読める読めないっていうのは大きな要素です。
全く読めないみたいな次元であればそれはテクニックとか解き方とか以前の話になります。
壊滅的ならそこをどうにかするしか方法はないし、受験まで最早それで終わると思います。
一方で、そもそも全部完璧に読めればこんなこと考えなくても余裕で解ける問題。
初見でも合格点取れます。
ただ、そこまでに仕上げられる受験生は多くありません。
その中で如何に点数を取れるようにするかが、過去問対策の意義だし合否を分けるラインになってきます。
特に慶應法はテクニック、解き方で英語力以上に点数を取りやすい試験です。
取り組みがすごく反映されやすい。
文章をしっかり読めてないと仰っていましたが、それがどの程度なのかは分かりません。
過去問固有の対策を活かすことすらできないくらいに読めないのか。
それを活かせるくらいには読めるのか。
正直ここ次第感があります。
でも後者だとしたら、読む力を過去問も使いながら高めることは勿論していくべきですが、過去問対策次第で今より確実に点数は取れるようになるはず。
文をちゃんと読めないから推測できないで終わらせるのは勿体無いし、点数を上げるチャンスを逃していることにすらなる。
その場合は是非ここでお伝えしたようなことを意識して過去問演習に励んでほしいと思っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上が回答。
質問・回答共に文面ママなので少しわかりにくければ申し訳ない。
けどザックリ言えば対策で意識すべきことはこんな感じ。
慶法は英語力もそうだけど対策如何で割と簡単に点を伸ばせます。
特にここで取り上げた3つの大問は頻出な上に、そのやり込み次第で差が付きやすいタイプの問題です。
残された時間の中で目一杯点数を伸ばして悔いのない受験にしてください。