大手予備校ではド定番、冬期講習・直前講習というものがあります。
例えば「共通テスト対策」とか「~大学英語対策」だったりですね。
予備校の立場からすると1年間で最後の稼ぎ時ですので大きく宣伝してくるのは当たり前ですが、果たして受験生に必要なのでしょうか?
講習と言われると何だか取らなきゃいけないような、取らないと不安な気持ちになる人もいると思います。
ここで一つ、まず初めに伝えたいことは「思考停止して講習を取ってはいけない」ということです。
何でもかんでも講習を取れば解決できるということはあり得ません。
講習=取らないといけないみたいな盲目的に、論理的にその講習を受ける理由を説明できない状態で講習を受けるというのは思考停止と言わざるを得ません。
つまり、自分に何が必要なのかを考えることができない、判断することができていないということに他ならないからです。
念のため言っておきますが、僕は講習自体に反対なわけではありません。
もし自分に必要だと明確な理由に基づいて判断した上であれば、是非受けて欲しいです。
要は「使い方次第」ということです。
さもなくば予備校に都合の良い養分になって無駄金・時間の無駄で終わってしまいます。
この記事では確実に効果を得るための「冬期講習・直前講習を上手く使う極意」について説明します。
冬期講習受講を決める前に、知っておいて損は無い事をお約束します、
・講習の是非は使い方で決まる
・上手く講習と付き合うために知らなければいけないこと
正しい講習の選び方
自分のレベルに合ったものを選ぶ
講習で確かな効果を期待したいなら、自分のレベルに合ったものにしてください。
良くありがちなのは、自分の学力に応じてではなく、自分の志望校に合わせて講習を受けてしまうことです。
気持ちは分かります。
自分の志望校の冠が付いた講習や、志望校相当の難易度の講習を取った方が合格に近づく気はしますよね?
でも冷静に考えてみてほしいです。
1つ例を出すので考えてみて下さい。
あなたは英検1級を取りたいとします。
でも現状は英検3級レベルだったとき、いきなり英検1級の過去問に手を付けますか?これが正しい選択だと思いますか?
学力ではなく志望校に応じて講習を選ぶというのは、これと本質的には同じことです。
一歩立ち止まって冷静に考えれば分かりますよね?
自分の学力に応じたピンポイントな学習をした方が結果的には早くゴールに辿り着けますが、冬期講習や直前講習は受験まで残り期間が少ないこともあり、「このままでは落ちるかも」という不安から冷静な判断力を奪われているだけです。
自分の学力に相応の講習を取り着実に学力を高めるほうが、あなたの合格は近づくでしょう。
何が自分に必要か見極める
自分にとって本当に必要なことは何か?を考えましょう。
何が必要なのかを具体的にして、優先順位を付けた方が良いです。
すごくザックリとした例えになりますが、文法問題は志望校レベルでも9割以上取れるけど、長文が5割しか取れないなら長文対策は必須ですよね?
文法ももっと得点したいと思うかもしれませんが、残り期間が少ない現状ではこれ以上を期待するよりは文法は現状維持で、その分を長文に回した方が良い。みたいなことです。
冬に入ったら得意を伸ばすよりも苦手を補う方が賢明です。
シンプルに伸びる余地が大きく、成熟していない分ちょっとしたことで比較的短期間で引き上げることができるからです。
まずは早めに過去問を解いてみて下さい。
志望校の過去問を数年分解けば自分の得意分野、苦手分野が見えてくるでしょう。
また、その上で苦手分野は自力で補うことができるのか?も考えましょう。
自力でどうにかできるなら寧ろ講習に頼らない方が良いです。
講習は万能という訳ではないので、講習に期待していても解決にならない可能性があります。そうなってしまうとプランが全て狂うので最悪のシナリオです。
他者依存的な思考ではなく、まずは自分の力でどうにかしようとする、という考え方は大事です。
自力でどうにもでき無さそうで、講習を受ければ解決できそう、ということであれば講習を使うと良いと思います。
これは他者依存でも思考停止でもなく、しっかり自分で考え抜いた上で予備校を利用していると言えます。
冬期講習・直前講習の良くある勘違い
合格への特効薬ではない
例えば「早慶英語対策講座」みたいな講習があるとしましょう。
最悪な取り方としては、「この講習取れば早慶の英語解けるようになる」と勘違いをしてしまうことです。
もっと正確に言えば、多くの人はそんなに現実が甘くないことは分かっているはずです。
それでも、このままだと合格の未来を描けていないがために藁にもすがるような気持ちで取ってしまう、というのは最悪です。
冬期講習・直前講習は合格への特効薬ではありません。
学力が全く足りていない人が、その講習を受けたからと言って突然覚醒するなんてことはありません。
講習は魔法じゃないからです。
極端な話、偏差値30の人が「難関大講座」受けたからと言って難関大学に受かると思いますか?
受からないでしょう。難関大講座受けるよりも前にやるべきことがあるのでは?ということになると思います。
つまり、各講座を受けるにしても、目に見えない「受講資格」があるということです。
その講座を受けて効果があるのは、その講座を受けるに相当する学力を持った人に限られるということです。
講習は不特定多数の人に向けて開かれますので、あなたが合格するための特効薬を期待するのは間違いであるということは覚えておきましょう。
講習に特効薬としての役割を期待するくらいなら、自分に合ったピンポイントな学習をして着実に学力を高めるほうが、一見遠回りに見えても確実に近道です。
予想問題に過度な期待はしてはいけない
大手予備校の講習では、傾向分析や予想問題が大々的に打ち出されています。
各予備校の努力の結晶とも言えますし、個人的にも見ていて面白いとは思います。
ただ、予想問題等などに対して過度な期待はしないようにしましょう。
外れるのがベースで当たったらラッキーくらいなものです。
確かに予想問題が当たった時は界隈が湧きますが、当然毎年当たるなんてことは無いので外れた際は特に言及されることがありません。
大げさに誤解を恐れずに言うなら、軽いギャンブルです。
外れた時を考えると、そんな運頼みに任せるほうが寧ろ怖くないですか?
確かな学力を自分で手にするほうが、合格には近いです。
中には「いや毎年当たるとは思ってないけど、予想問題解くのは為になるんじゃないの?」と言いたくなる人もいるかもしれません。
それなら過去問で十分です。
現実として実際過去に出題された問題ですから、これ以上の勉強材料は無いでしょう。
過去問には過去のデータが全て詰まっていますので、傾向も、難易度も、自分の弱点だって全て把握できます。
その上で対策を行い、過去問で「合格点最低点+2割」を取れるようにすれば怖いものはありません。
ここまでやったうえで、手持無沙汰でやることが無いので講習で予想問題に手を出すというのであれば正しい判断だと思います。
自分でやるべきことも満足にやっていないのに、安易に講習を受ければ良いと考えるのは怠惰・思考停止ですのでお勧めできません。
補足:講習に受講義務はない
そもそもですが、講習に受講義務はありません。
なので1つだけ受ける事も許されるし、場合によっては1つも受けずとも問題はありません。
あなたの受験の目的は志望校合格です。
講習を受けずとも合格できるプランが自分にあるのであれば、無理して受ける必要なんて無いのです。
予備校側は受けた方が良いと言ってくるでしょう。
それは商売ですから当然ですw
予備校都合で受講を決める必要はありません。
惑わされることなく、自分にとって有益かだけを軸に受講するかを決めましょう。
さいごに
講習と上手く付き合おう
冒頭にも言いましたが、僕は講習自体を否定するつもりは一切なく使い方次第だと思っています。
何でもかんでも予備校に依存して、講習が全てを解決してくれるという考え方は良くないということを伝えたかったということです。
そうでないと、あなたの合格に近づくどころか予備校の養分とされて終わってしまうからです。
上手く予備校を利用して最後の追い込み頑張ってください。