私立文系と共通試験の話
過去にはセンター試験と言う名で、そして今は共通テストという大半の大学受験生が受けている試験があります。
センター試験の頃から付きまとう問題として、私立文系はセンター/共通テストを受けた方が良いのか問題が挙げられます。
「だって私立文系は国立と違って共通テスト必須じゃないじゃん?」
「共通テスト対策するなら私立の個別入試を対策した方が良くね?」
この様にも考えることができるからです。
これは実に難しいです。
一概に受けた方がいいとも、受けるべきではないとも言い切ることは出来ません。
ちなみに僕は慶應志望の私立文系でしたが共通テスト(当時はセンター試験)受けていません。
受けた方がいいと言われる理由も分かっているつもりです。受けてなかった僕が言うのもあれですが、基本的には受けるべきメリットのあるテストだと思っています。
その上で受けるのを止めました。
そして受けなかったことに一ミリの後悔もありません。
しかし、受けた方が良い。
今回は、共通テストを受けた方がいいとされる理由、その上で僕が受けなかった理由、受けるべきか否かの基準などを説明します。
私立文系でも共通テストを受けた方が良いとされる理由
①場慣れができる&危機感を煽られる
私立大学の入試は早くても一月末~二月頭です。
一方で共通テストは一月中旬ごろに行われます。
私立の入試が始まる前に受けられる唯一の試験と言えるでしょう。
受験を実際にしてみたら分かると思うのですが、過去問を解くのと実践とでは緊張感は全然違います。
実戦を一度経験するのとしないのとでは試験慣れという意味では大きく変わってきます。
共通テストを受けることなく私立入試に突入すると一発目の試験では緊張してしまって力を発揮できないということも考えられます。
このような場慣れという意味では共通テストは私立文系の受験生にも大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
②共通テストの成績で複数の大学をコスパ良く受験できる。(特に地方出身の受験生)
共通テストでは、その成績を使いまわして複数の大学を一斉に受験することができます。
そして、その成績が他の受験生よりも優れていれば共通テストだけで一度に複数の合格を得られるという訳です。
一回一回受験をしなくて良いし大学ごとの個別対策もしなくて良いので、時間的な効率は良いでしょう。
また受験料が私立では1つの受験にあたり3万~3.5万円ほどかかりますが、共通テストを利用して受験すれば2万円前後です。
共通テストの方が時間的にも、金銭的にもコスパ良く受験することができます。
これは特に地方の受験生には当てはまる事かもしれません。
受験をするたびに長距離移動して、ホテルに宿泊してと時間もお金もかさむことでしょう。
共通テストは近場で受けることができるし、それを利用して受験すれば遠くまで移動して宿泊することも避けられます。
③目安があると火事場の馬鹿力で勉強がはかどる
勉強というのは近くに目安、目標がある方が上手く進むことが多いです。
例えば定期試験直前で詰め込むときのことを考えてみて下さい。
火事場のくそ力とでも言えるような、土壇場での集中力ってありませんか?これは目の前に試験が迫っているから発揮されるものです。
共通テストはその役目を果たしてくれます。
一度そこに目安を置けば、共通テストまでに~~は絶対出来るようになるといった目標を立てやすく、勉強がはかどる事はあるでしょう。
一方で共通テストを受けずに私立入試まで時間が空くと、ダレルことのなく高いモチベーションを維持できるよう自らを律しないといけません。
1つ目安を置いて勉強効率を上げるという意味では共通テストはアリだと思います。
④私立受験直前の実力・弱点を確認できる
共通テストを受ければ当然結果が分かります。
その結果に応じて自分の立ち位置も確認できるでしょう。
共通テストが行われるのは私立入試の直前ですし、全国規模で自分の立ち位置を把握する機会はこれが最後になります。
その結果次第で自分のどこが弱いのか、立ち位置を把握し志望校と自分との距離感もつかめるでしょう。
そうすれば残された時間の中で自分が何をやるべきなのか今後の課題も見えてくるでしょう。
これは確かにラストスパートをかける上で効果的だと考えられます。
メリットを理解した上で僕が受けなかった理由
①場慣れは私立の個別入試ですれば良い
僕の場合は2月の中旬に本命だった慶應の入試があり、それまでの間に3つほど受験をする機会がありました。
なので場慣れをするのがセンター試験である必要はありませんでした。
本命の前に受験する機会もあるし、実戦経験や場慣れはそこで十分だと思ってました。
センター試験を受けてないので一発目の受験では確かに緊張もありましたが、緊張や場慣れしてないくらいで本命未満の試験に落ちるくらいなら本命なんて受かりやしない。
「緊張、場慣れ不足がハンデになっても受かるくらい圧倒的じゃなきゃ、そもそも本命も詰んでる」くらいに考えていたので場慣れがセンターを受ける理由には成り得ませんでした。
②確認しなきゃいけない程度の実力なら死んでやる
ぼくは本命の前に受ける学校に青学全学部や上智大学がありました。
早慶に余裕で合格する実力があるかどうかを確認するには持って来いのレベルです。
そこで躓くようなら早慶なんて受かりっこないだろうと思っていたし、万が一落ちてしまったら「それまでの勉強の仕方に問題があったんだ。」と慶應の合格も割り切って諦めるつもりでした。
残された時間が1か月を切る中でわざわざ実力確認をして立て直しを図らなければいけない程度の実力なら情けないし潔く死のう、みたいな感じですね。
それまでの勉強に絶大な自信があったので、この期に及んでわざわざ実力確認をする気になれませんでした。
それくらい覚悟が決まってたとも言えますが、今思うとこの考えは多少危険な気はしますねw
③合わせるべき自分の標準がブレるのが嫌
僕は大本命・慶應法学部にかなり標準合わせて勉強していました。
そのために冬に差し掛かる位から慶應法対策を緻密に考えて、日割りでやることまで決めていました。
なのでセンター対策にたとえ1日でも割きたくなかったんです。
センター受けるってなったら性格的に過去問を解かないと気が済まないのですが、センターの過去問やるくらいなら慶應法の対策を少しでも進めたい気持ちが強かったです。
センターを受ける事で自分の中で合わせてきた標準がブレるのは一番避けなければならないことでした。
センター対策の時間が勿体ないだけでなく、受け終わった後にも何かしら影響が出るのが嫌でした。センター終わって少し息をついて緊張の糸が僅かでも切れる事を避けたかったんですね。
とにかく2月入るまでは現状維持で慶應法対策を最大限にまで詰めたかったということです。別にセンターなんて受けなくても危機感には煽られるし、緊張感に包まれた日々でした。
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④単に大学に行きたいんではなく第一志望に行きたい。
たしかにセンター受けると一度にたくさん受験できるし効率が良いことは認めます。
でも僕は別に大学に行きたいという訳ではなく、慶應じゃなきゃ意味が無かったんです。慶應以外なら大学行くつもりなかったので。
だからセンター如きに振り回されたり、金銭的に時間的に効率が良いからとセンターを受けるのは馬鹿らしいと思ってました。
慶應以外に受ける私立も、慶應に受かるためのプランに組み込まれたものだったしセンターでそこに受かっても意味が無いんですね。
第一志望に受かるためにプランにセンターが組み込まれてれば受けても良かったですが、別にそうではなかったので特に受ける動機は見当たりませんでした。
共通テストを受けるべきか否かの基準
○○な場合のみ受けなくてOK!それ以外は受けましょう
冒頭でも述べたように、ぼくは正直に言うと共通テストは受験した方が良いと考えています。8割以上の人が受けるべきに該当すると思っているし、メリットも十分にあります。
一方で、受けないという選択も尊重されるべきだと思います。
僕自身がセンター受験してないし、それに対しての後悔も一切なくベストな選択だったと今でも思います。
しかし受けないにしても条件があります。
何で受けるべきではないか、その目的を自分の言葉で明確に説明できることです。受けるべきでないと考えるに至る理由は人によるだろうし何でも良いです。
~な理由で自分は受けるべきではないんだ!と自分なりの根拠を持っているということですね。
受けたくなくても、「めんどくさそう」とか「何となく受けなくて良くない?」みたいな感じなら受るべきです。
受けてみれば場慣れにもなるし、自分の弱点も知る事が出来ます。場合によっては合格も取れるかもしれないし、受けた方が良いです。
自分の考え方や意志によって受けるべきか否かの答えは一様には言えませんが、これを基準にあなたが共通テストを受けるべきなのかどうかを決めてみて下さい。