世界史の勉強の際、通史は比較的序盤で行うと思います。
通史が終わった時、その後は何をやっていくのがベストなのでしょうか?
通史の次にやるべきはこれ!というのは難しいです。
各人の志望校や受験までに残された時間によって通史の次にやるべき流れは異なります。
時間が許されるのであれば、やった方が良い事は沢山あります。
理想を挙げればキリがありません。
しかし現実的に、受験は時間との戦いでもあります。
許された残り期間の中で最大限合格に近づくためには何をしたら良いのかを考えなければいけません。
今回は、通史の次にやるべきことを示しつつ、各人の状況に応じた注意事項も併せて説明します。
【前提】通史が終わる、とは?
本当に「通史が終わった」と言えるのか
「通史が終わる」というのは具体的にはどんな状態なのでしょうか?
教科書の流れを一通り掴んだ?
通史問題集を一通り解き終わった?
「通史が終わった」と感じる基準は人によって異なります。
ですが、通史は世界史の基礎です。
基礎が無い状態で応用に走ってもその後の成長はたかが知れています。
そして、もっと言うと通史が出来て基礎が固まればMARCHは楽勝、早慶でも下位~中位学部なら合格平均くらいには出来るようになります。
通史問題集程度であれば1問も間違えないレベルであるべきでしょう。
仮にそこまでは行かないにしても「何となく」通史を終えたと感じるのは非常に危険です。
英単語でも同じですが、単語帳一冊をとりあえず一周したくらいで単語帳が終わったとは思わないはずです。
なので、あなたが「通史が終わった」と感じる際に一体何を以てそう判断したのかというのは意識するようにしてください。
通史の次にやるべきこと
やるべき事の大枠の流れ
理想と現実は違います。
出来るのであればここまでやるべきというのは当然あります。
まずは理想を知ったうえで、やるべきことを各人の都合に応じて現実に合わせていきましょう。
理想としては以下の通りになります。
分野別問題集で通史の穴を埋め、過去問で実戦練習・対策を行う。
そして過去問演習で見つけた穴を、受験までに更に重点的に補うところまでやれれば最高です。
ここからは、それぞれのステップについての詳細及び各人に応じた注意事項について説明していきます。
特に各ステップの注意事項に関しては、あなた自身の状況と照らし合わせて読み進めて下さい。
分野別問題集など高度な問題集
ここでの目的は、通史の学習だけでは埋めきれなかった部分を埋めていく事です。
通史というのはザックリ言えば浅く広くです。
大きな流れに沿って比較的標準的な知識に重点を押さえる、基礎となる部分です。
その次にここで行うべきは通史よりも狭く深く、突っ込んだ学習になります。
Z会から販売されているこれらの問題集がおススメです。
「実力をつける100題」では通史の学習の際に手の届かない難易度の高い問題・解説がメインになっています。
少々難しいかもしれませんが、他の受験生に差を付けるという点ではやっておくと良い1冊です。
各国史・近現代史などでは各テーマに絞った構成となっています。
各テーマに焦点を置くからこそ、通史よりもそのテーマを重点的に学ぶことができます。
大学受験では大問ごとにテーマに分けた出題もありますので、入試の得点に直結することも大いに考えられます。
ただ、これら通史よりも難易度の高い問題集を使用する際には注意点があります。
・通史学習がキチンと出来ている
・志望校がMARCHまでであれば必要ない
・早慶以上なら解きたいが、残された時間との兼ね合いも大事
まず、これらのような問題集は通史が固まっていないと意味が有りません。
通史をより深堀する学習ですので、深掘りできるベースとなる通史が無い状態でやっても効果は期待できないのです。
また、志望校がMARCHレベルまでであればこれらは必要ありません。
そのレベルは通史が完璧に仕上がれば、高度な問題集をやる必要もなく受かります。
そして、そんな難しい問題は殆ど出題されることが無いです。
早慶以上なら是非取り組んでほしい所ではあります。
しかし、通史の完成が遅く、これらをやっていると過去問解く時間が無いとなるのであればそれは要相談になるでしょう。
通史が完璧になれば早慶でもある程度は戦えます。
特に早慶でも下位学部志望で、ここまでやると過去問の時間が全く無いというなら通史の後は過去問優先で間違いないです。
ただ、前提としては過去問の時間もある程度取れそうならばここもやっておいた方がベターではあるので、これは残された時間と進捗の兼ね合いで個々人に合わせた判断が必要になります。
過去問に取りかかかる
世界史に限らずかもしれませんが、過去問を多く解くことは非常に有効です。
志望校の過去問を繰り返すことで傾向が分かったり、問題へのアプローチ、時間配分、大問の解く順番などを掴み受験本番の得点率を最大化することもできます。
また、志望校以外の過去問を問題集として解くことも役に立ちます。
志望校と同程度のレベルの過去問であれば、似通った難易度の問題や捻り方があったりするので時間に余裕があれば解いておくといいでしょう。
そして志望校・志望校以外かに関わらず、過去問を解くことで既知の知識がより定着したり、未知の知識を拾えたり、今までには無かった角度から出題に対応できるようになったりします。
この辺の、それぞれの過去問を多く解くメリットは以下の記事に詳しくまとめているので、こちらをご覧ください。
ここでの注意点は以下の通りです。
・志望校以外の過去問は全員が解くべきという訳ではない
・志望校の過去問の解く量も人によって異なる。
志望校以外の過去問は解けるならそれがベストです。
しかし、現実的にはそこまで時間を確保できない人も多いでしょう。
その際には、あくまで志望校の過去問が最優先です。
あなたの合格に直結するのは志望校の過去問だからです。
そして、志望校の過去問の解ける量も人によって違うと思います。
理想としては10年分を繰り返し解いて、限りなく満点に近づけるような取り組みをすることです。
その根拠や効果は先ほど貼った上の記事を参照してください。
しかし通史などの完成が遅い人がいるのも事実でしょう。
例えば通史が出来上がったのが12月や1月になる人もいるかもしれません。
もしも過去問以前に通史などが未完成であった場合は、必ずそちらを優先しましょう。
過去問の研究・分析や対策は、一定のベースとなる学力が無いと意味を成しません。
また、解法テクニックなんかも基礎学力がベースにある事が前提になります。
こういった際は、過去問を解くに当たっての基礎学力の向上を先決してください。
過去問は最低限として赤本1冊を解き、持てる学力の中で最大の得点が出来るように解く順番や時間配分にのみ注意を払えば十分でしょう。
過去問で見つけた課題の解消
過去問を解いたら復習をすると思います。
もちろん復習した内容を完璧にする、志望校の過去問を繰り返して満点近く取れるようになるというのは過去問対策として当然ですよね。
これからする話は、その上での話になります。
過去問を解くと今後の課題が見えてくることでしょう。
それこそ志望校の過去問を10年分以上繰り返し解けば、どんな対策をしておけば受験本番に対して有効なのか、なども分かってくるはずです。
それが自分の弱点であれば課題とも言えますし、+αで万全を期するという意味であれば備えという表現になるかもしれません。
過去問を解き終えて受験本番に入るまでに、それらの課題や備えとなる学習を徹底的にやり切りましょう。
例えば僕の場合は、万が一にも不合格にならないよう慶應法学部対策として要募集の頻度①②の用語で分からないものに絞って全て覚えていました。
過去問を通じて、この学習が本番で役に立つと感じたからです。
実際にどんな学習を行うかは各人が過去問を解いて、どう感じたかによって異なります。
でも、繰り返し解いて何も感じないということは無いはずです。
何かしらの本番に向けたやるべき課題や備えが見つかると思います。
この作業に入るまでに、通史を完璧にし、高度な問題集を完璧にし、過去問を徹底的に繰り返したわけです。
つまり、この作業は言ってみれば最後の詰めになります。
しっかり詰め切って、万全な状態を作って受験に臨みましょう。
ただ、ここで1つ注意があります。
実際にここまで出来る人は恐らく多くないということです。
この作業は過去問を繰り返した後のすべき行為です。
そして、この作業をしたからと言って、今日やって明日効果が出るみたいな話ではありません。
この作業をするからにはある程度の期間は設けておく必要があります。
最低1ヵ月は設けられる場合にのみ取り組んでください。
そうでない場合は、この作業をしても中途半端な結果になりかねません。
過去問を再度解き直したり復習し直したりする方が時間を有効に使えるでしょう。
さいごに
できる事は沢山ある
受験勉強なんて世界史に限らず、やった方が良い事は沢山あります。
やることが無いというのは、満点以外を取らなくなって初めて言える言葉でしょう。
通史が終わったくらいではまだまだ出来る事は沢山ある訳です。
今回示した内容を全て理想通りに出来たら正直世界史では怖いものなしでしょう。
そこまで出来なかったからと言って悲観はしないでください。
実際には受験まで残された時間は決まっています。
その限られた時間の中で何を優先してやるべきかまで考えなければいけません。
これもまた受験で求められる能力の内です。
本記事の内容をあなたの状況に置き換えて、やるべきことを正しく選び限られた時間内で最大限のレベルアップを図ってください。