世界史の学習では「まずは流れを理解しよう」と言われることが多いです。
流れを把握することがまずは第一歩であると。
そして、その通りに多くの受験生は流れを理解することから学習を始めます。
教科書や、実況中継・ナビゲーターなどの参考書を使いながら。
これを全面的に否定するつもりはありません。
それが必要な人がいるのは理解しています。
でも、本当に全員にとって流れを理解することは必要なのでしょうか?
そもそも論として、必要の有無を考えたことはありますか?
何が言いたいかというと、私立志望の人は流れの理解を求めた学習は必要ありません。
かと言って、「とにかく暗記!頭に詰め込め!」なんて言うつもりは毛頭ありません。
僕は楊貴妃しか知らずに受験勉強を始めました。
それでも1日2時間の勉強で河合塾全統記述で偏差値74、慶應法学部でも8割取れてました。
しかし、流れを意識した勉強はしたことがありません。
もし私立志望ならば「世界史が理解できない」と悩むのは即やめましょう。
理解なんて必要はないのですから。
今回は、私立世界史に理解が必要ない理由・それでも得意科目にする勉強法の紹介です。
全体像や流れを理解しようとか、詰め込まなきゃという二者択一じゃないんです。
もっと賢く世界史を得意科目にしてください。
・私立の世界史に理解が必要ない理由
・それが無くても世界史を得意にする勉強法
理解できないじゃない。理解は必要ない
私立世界史の特徴
私立世界史の難しさは何でしょうか?
難用語やニッチな知識を求められることです。
結局合否を分けるのはその知識量です。
一方で、国公立はどうでしょうか。
その出来事が起きた背景や因果、その経過など流れを一連で理解した上で自分の言葉で説明できるようになる必要があります。
1つの試験で、上記2つの要素を両方を等しく孕んだ出題がされることはありません。
つまり、「難用語やニッチな用語」と「自分の言葉で全てを体系的に説明する力」の両方が同じように求められることは無いということです。
必ずどちらかに強く偏ります。
もしも、どちらも求められるのであればそれは地獄のような試験ですw
等しく両立できる関係ではありません。
これは平たく言えば私立と国公立の傾向とも言えます。
傾向が異なれば適した勉強法が異なるのも当然ですよね?
つまり私立では、いかに早く効率よく知識を身に着けることが効果的だということになります。
とすれば、流れや全体像の把握することが私立の傾向に適したものであるかが判断基準になるはずです。
私立には理解を求めた学習が必要ない理由
ここまでの話を整理しましょう。
私立はいかに早く効率よく知識を身に着けていくかが重要でした。
なので論点としては、流れや全体像を把握する学習がこれにどれほど寄与するかになります。
これはすごくシンプルな話です。
全体と個別、覚えるのはどっちのほうが早いですか?ということです。
私立の世界史なんて、1つの事象に関して何から何まで覚えている必要はありません。
なので0から100の前後関係まで覚えようとすること自体が時間の無駄です。
必要な情報だけ絞ってピンポイントで拾っていく方が覚える量や労力が少なくなることは言うまでもありません。
覚える必要のない部分は徹底的に削って無駄な時間と労力を避ける事が出来ます。
ただ、中にはこんな風に思う人もいるかもしれません。
覚えるべき必要な情報が絞られる方が量自体は少なくても、何の脈略もなく必要な情報の羅列を詰め込むとなれば寧ろ労力と時間を要するのでは?
これは仰る通りです。
なので、無理やり詰め込むのではなく上手に必要な知識を身に着けていくためには何を意識するべきかを下段で説明します。
詰め込みではなく上手に紐づける。
単に覚えろ!と詰め込むのであれば、メチャクチャしんどい作業になると思います。
でも、詰め込みは不要です。
必要な情報に絞ってピンポイントで覚えると言ってもそれだけを頭に詰め込むわけじゃありません。
そのコツは紐付けです。
出題パターンと解答パターンの紐付けます。
具体的には「この聞かれ方したときは答えはこれ」という形で紐づけます。
私立は知識問題が多いと言っても、その問い方には限りがあります。
各知識に対してマークしておくべきキーワードがあり、それさえ押さえれば出題パターンと解答パターンの紐付けは完了です。
詳しくは以下の記事内の目次”私立必殺のキーワード付け”をご覧ください。
そして、この紐付けは詰め込むことなく身に着けることができます。
覚えるというよりは解き方を体に染み込ませるというニュアンスが正しいでしょう。
流れなどを理解することと決定的に違うのは、この体に染み込ませることができるかどうかです。
流れを理解したり全体像の把握をする際はどうしても頭を使わなければいけません。
それは必然的に各人のキャパシティに依存する形になります。
理解力が高い、全体の把握能力に優れる、そもそも記憶力が秀でている人には大した問題ではないかもしれません。
しかし、ごくごく平凡な人が頭を使って流れを理解し全体像を把握するには大きな労力が伴うものです。
一方で、体に染み込ませることに先天的な頭の良さは関係ありません。
頭の良さに関係なく、取り組み方さえ間違えなければ誰もが出来る事なのです。
非常に再現性が高いものになります。
理解でも詰め込みでもない!自然と解き方を体に染み込ませる勉強法
理解でも詰め込みでもない、体に染み込ませる取り組みをするには工夫が必要です。
世界史を勉強する多くの場合、流れの理解でなければ詰め込みを想像されます。
体に染み込ませるという感覚が分からないかもしれません。
そのため、勉強法に一工夫施す必要があります。
しかし、それは極めて簡単です。
問題集を短期間で高速で繰り返す。
これだけです。
頭を使って理解する必要はありません。
詰め込んで覚えようとする必要もありません。
これは単なる作業です。
その作業の連続、繰り返しで勝手に体に染み込ませることができます。
問題集では1つの出来事に関して当然0から100までの情報を全て網羅している訳ではありません。
各出来事に対して、必要な情報を絞って記載されています。
これがポイントです。
その問題集に記載されている絞られた情報を短期間で繰り返すだけで勝手に身に付きます。
ただ、これだけでは説明不足な感が否めないし、イマイチ要領を掴みにくいかもしれませんね。
全てをここで書くとまとめきれないので、詳しい勉強法や効果については以下の記事を参照してください。
【補足】理解がなくても私立の記述・論述は対応できる
中には、私立が知識に偏っているとしても若干の理解は必要ではないかと考える人もいるかもしれません。
そのために補足として念のため説明しておきます。
基本的にはマーク形式の問題が多いので、ここまでに説明したようなキーワードや出題パターンを体に染み込ませれば対応できるはずです。
一方で、私立の中でも確かに知識偏重ではない試験・問題がある事も事実です。
例えば慶應経済なんかはその最たる例で、もはや論述試験です。
数としては少なくとも、そのような試験がある事は間違いありません。
じゃあ、そこらの試験にはここまでに説明してきたやり方では対応できないのか?
そんなことはありません。
実際僕は、世界史の理解に関しては非常に疎かったです。
それでも慶應経済にも合格しています。
河合塾全統記述模試でも偏差値は70を超えています。
つまり、理解なんかなくても記述や論述に全く対応できなかった訳ではないということです。
少し矛盾を感じるかもしれないので、詳しく説明します。
これはどういうことかというと。
知識に偏って勉強したとしても、模試や私立で求められる程度の問題には対応できるようになるということです。
頭の中に大量の知識が入っていれば、それらの点が線として繋がってきます。
初めから線として、つまり流れや全体像を意識した勉強をしていなくてもです。
僕は私立専願でしたので、これが最難関の国立に通じるのかは分かりません。
しかし、恐らくは私立の中で最も国立の試験に近いであろう慶應経済くらいなら対応できてしまうということは確かでしょう。
たどたどしかったとしても、頭に入っている知識を少しずつつなげるだけで対応できる。
模試や私立の記述・論述問題というのは、その程度の試験だということです。
なので繰り返しますが私立の世界史に流れや全体像を意識した理解は不要です。
基本的には多くの場合知識に偏った出題になりますし、仮に記述や論述があってもしっかり知識が入っていれば繋げるだけで対応できる。
これまでお伝えした方針で、模試も私立の試験も効率よく高得点が取れるはずです。
さいごに
自分にとってより効率的な選択を
受験なんて結局は結果が全てになります。
非常に分かりやすいですよね。
結果がでさえすれば勉強法なんて何でも良いわけです。
世間で推奨されるように流れを理解する勉強から入っても問題ありません。
理解を求めた勉強なんて必要無いよと捻くれた今回のようなやり方でも良いでしょう。
他にやりやすいやり方があれば、それでも勿論問題ありません。
自分が何処を目指して、どんな勉強をするのが効率的なのか。
ここを徹底的に考えましょう。
その上で、ベストな勉強法を選択してください。
⇩世界史を急ピッチで仕上げる必要がある方はこちら⇩