夏を制する者は受験を制すの真実
「夏を制する者は受験を制す」というこのフレーズ、受験生であれば誰でも耳にしたことはあるんじゃないですか?
多くの人は、夏頑張って成績上げれば受験合格できる!という意味で解釈しているように思いますが、本当にそうでしょうか?
実はこの解釈は間違っています。
そもそも全員が真に受けるべきフレーズじゃないし、夏頑張って成績上げても合格できる訳ではありません。
しかしみんなこの言葉を表面通りに受け取っているんですよ。怖いですよね。そして実に危険です。もはや一種の洗脳に近い言葉だとすら思います。
今回は、「夏を制すれば受験を制す」という言葉に隠された真実をお話しします。(勿論私的見解です。)
夏を制すれば受験を制すの真実
そもそも受験生全員に向けられた言葉ではない
ずーっとA判定で学力的に余裕がある人には、この言葉は該当しません。
夏を制するも無く、既に制しています。
このまま勉強続けていれば受かるはずです。
ぼくは別に夏だからって気合を入れてたわけじゃありません。春と同じように、同じペースで勉強していました。
このフレーズが対象となるのは、夏を迎えたタイミングでまだ志望校に遠い人たちです。
受験直前期の一月、二月を除けば八月辺りが丁度折り返しになります。
その折り返しとも言えるタイミングで学力が足りていない人は、ヤバいですよという警鐘のようなものです。彼らに対する盛大な煽りと思ってくれて良いです。
じゃあ、そんな志望校に遠く及んでいない人たちが夏勉強しまくって制したら合格できるのか!というと残念ですがそうではありません。
その辺を掘り下げていきましょう。
夏を制したら受かる、ではなく夏すら制することができなければ受からない
さて、このフレーズの対象となる層は分かりましたよね?
このフレーズが言いたいのは、その層に該当する受験生が夏を制したら受験に受かる!というものではありません。
正しく言うと、志望校に遠く及んでいない人で夏も制することができなければ合格なんて無いよということです。
折り返し地点とも言える夏で成績が振るわないなら夏に挽回しないで合格できんの?というメッセージとも言えます。
なので夏を制したつもりでも、それはようやく勝負の土俵に追いついたというだけ。
合格に余裕がある訳でも優位に立ったわけでもありません。
成績振るわない受験生が志望校に合格するための首の皮がギリギリ一枚繋がるかどうか、というフレーズの表面よりも遥かに低次元な話です。
夏頑張って少し成績伸びたからと調子に乗らずに、今後も同じように成績が伸びるなど甘い期待もせずに繋がった一枚の首の皮を活かせるよう必死に秋以降も勉強してください。
予備校の儲け時として客集めに必死になるので注意
「夏を制する者が受験を制す」というフレーズで一番恩恵を受けるのは予備校関係者です。
このフレーズを聞くと夏はめっちゃ勝負時だと多くの受験生は思いますよね。
予備校に行っている人なら夏期講習を多めにとる事を勧められ、予備校行っていない人にも夏期講習だけどうですか?と案内が来るでしょう。
上手く受験生の不安な心理を煽りながら予備校が金儲けするための誘いがくるということです。
夏が勝負だからと夏期講習を受講すれば確かに安心感は得られるかもしれません。
しかし、夏季講習は本当に必要ですか?それだけ受けて意味ありますか?
例えば予備校生なら多くを受講するかもしれませんが、単に多く受けても”頑張ってる感”という満足しかえることは出来ません。それなら絞って一つ一つを着実に押さえるほうがいいでしょう。
いや、そもそも夏期講習自体が必要なくて自分で勉強するほうが良い可能性だってあります。
夏期講習だけ受けようと思っている人も同じです。
ふだん予備校の授業行ってないのに、夏季講習の授業の質とか分かるんですか?
大手だから大丈夫と思っているなら、それは凄く盲目的です。自分にそう思わせたいだけでしょう。受けるとしたら授業の質や感想などを幅広くリサーチしてから受ける事をお勧めします。
受けるなとは言っていません。本当に必要だと言い切れるなら受けるのが良いと思います。
要するに、このフレーズを使った予備校の煽りに乗っかって容易に受けることは避けましょう、ということですね。
個人的には春と秋の方が大事
何でも前倒しが一番なんよ
僕的にはそもそも夏が大事って考え自体があまり理解できません。
大事なのは春と秋です。
春→夏、秋→冬に分けられて、春が上手くいけば夏はそこまでじゃないし、秋が上手くいけば冬はそこまでじゃないです。
結局早めに動けるか、仕上げられるかで、どの季節が大事なのかは変わってきます。
まず春は基礎定着のため間違いなく重要です。基礎は早めに固めておかないと後々苦労するからです。
それに早い段階で成績を上げられないとモチベーション的に今後奮い立たせるのがしんどくなります。勝ち癖というか、早くに自分出来るなと思えるようになった方がそれ以降も頑張れます。
夏は、春の延長です。基礎固めの終盤に入る位の感覚なので真新しい事もしないし春までの通りにやるだけなので特に重要性は高くないです。
一方で、秋は大事です。それまでに行ってきた基礎固めを活かして応用に入ります。
問題集のレベルを上げたり、過去問をガンガン解き始めたりして一気に合格レベルまで持って行く期間です。冬は秋までがしっかりできていればそれほど切羽詰まる事も無いので秋の方が大事です。
とまあ、このように勉強が順調なら夏よりも春の方が大事なんですね。
つまり夏時点で勉強が順調ではない人は夏が正念場になるということです。
キャッチーなフレーズに惑わされずやるべきことをやろう
さいごに
夏を制する者は受験を制す、すごくキャッチーなフレーズです。
これほどゴロが良くて、すっと入ってくるものも中々無いですね。
でも、だからこそ言葉をまんま受け取らず疑って見てみるべきだと思います。
本当にそうなのか?自分に当てはまるのか?それを上手く利用したやり口に乗って良いのか?
冷静にそこを見極めて下さい。
そうすれば自分が本当にやるべきことが見えてくるでしょうし、それこそがあなたにとっての大切な勉強だと思いますよ。
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