勉強の成果が出ることを期待していた夏、そして秋。
まだ受験が近づいている事への実感が少ない時期に比べて、秋以降は受験への現実味が増してきます。
そんな中で順調に結果を出し始めて更にやる気に満ち溢れていく人がいる一方、それを片目に中々思う様に進められずにいる受験生もいます。
その現実に直面すると必ずと言っていいほど、「焦りや不安で勉強が手につかない、集中できない」という人が出てきます。
頭では寧ろ勉強しなきゃと分かっていても、感情が付いてこないんですよね。
理性と感情は別物ってやつです。
これ、当の本人は凄く悩むと思います。
そして悩むほど更に焦って悪循環に陥るパターンです。
ただ1つ覚えておいて欲しいことがあります。
焦りがあるのはあなただけじゃありません。
多くの人が内心焦りを感じていますが、それに上手く向き合って対処しているだけです。
あなたがもし焦りを感じていたとしても、その実態と付き合い方さえ身に着ければ乗り越えられます。
・焦りや不安を感じて勉強が手につかないあなたへ
・その実態と対処法が分かる
焦りと不安の実態について
あなただけじゃない
まず、覚えておいて欲しいのは殆どの人が不安や焦りを感じるということです。
あなただけじゃありません。
それは比較的成績が優秀な人だってそうです。
大学受験の合否はその後の進路だけでなく、進学先次第では就職にも影響があります。
そういう意味で言えば人生にも影響を与えるかもしれません。
そして、その結果は全て自己責任。
自己責任で今後の人生にまで影響を与える重要局面ですから、そりゃ焦りや不安は抱えるモノです。
仮に成績が優秀でも、その人なりに感じていることはあります。
万が一落ちる事を考えると、一見順調そうに見えても内心は焦りも不安も募ります。
成績が優秀て人は成績・偏差値という数字に過敏になるからこそ、優秀なわけです。
それだけ結果にコミットする人なら、万が一を考えた時には色々感じるモノでしょう。
何もあなただけが不安や焦りを感じる訳じゃないんです。
受験生、それも志望校に合格したいと強く思う人ほどそれは感じやすいです。
自分だけのものだと抱え込まず、上手く付き合っていくものだと前向きに考えましょう。
他者比較による不安や焦り
焦りや不安を感じる瞬間の顕著な例の1つとして、他者よりも劣っていると感じた時が挙げられます。
「ああ、あの人はこんなに良い成績取っているのに自分は。。。」
目の前でまざまざ好成績を取られ、それを自分と比較してしまえば焦りも不安も感じるでしょう。
でも、他者と自分の出来を受験以前の段階で比較することはナンセンスです。
確かに受験は他者との競争です。
結果として、どうしても他者比較になる事は仕方ありません。
でも、それは合否に関する話のみ。
日頃の勉強で他者の進捗や出来を気にする必要はないのです。
大事なのは、あなたが合格最低点を超えるかどうかです。
あの人よりも良い成績を取らないと不合格ってルールではありません。
仮に自分の身の回りの優秀な人よりも劣っていようとも、あなたが合格最低点を超えてさえいれば問題はありません。
逆に、他者比較に依存した考え方になると周りの人よりも自分が出来るようになった時に、満足して燃え尽きてしまうかもしれません。
目標は志望校合格である以上、これは本意ではないですよね?
自分がやるべきことを出来ているか、計画通りに勉強を進められているか、これだけ気にしていれば大丈夫です。
あなた自身や保護者もしくは学校教師が、誰かほかの優秀な生徒と自身をいたずらに比較することで不安が煽られているだけです。
自分自身への苛立ち
自分が思った通りに勉強を進められていない、この事実に苛立ちを感じてそれが不安や焦りになるパターンもあります。
やるべきことが終わらなかったりすると、苛立ちを感じるかもしれません。
一言で言えば、理想と現実のギャップですね。
そのギャップに苦しんでしまっているってことです。
「あぁ、自分なんか頑張ってもこんなもんか」と自己肯定感が下がりまくってしまいます。
そしてこれは多くの場合、自分で理想を高く設定しすぎていることが原因です。
あれもこれもと欲張って高すぎるノルマを自分に課すせいで、かえって自分を不安やセリに陥らせています。
キャパオーバーってやつですね。
そして人間はネガティブな出来事はポジティブな出来事よりも強く印象に残ります。
もし自分が着実に成長していたとしても、高すぎる理想によりキャパオーバーで焦りや不安を感じてしまうと、その成長に自分で気付けません。
その結果勉強に手が付かないとなっては勿体ないと思いませんか?
自分で自分の首を絞めてしまっている・・・ということですね。
あなたは自分が思っているよりも頑張っているのだと思います。
自分の成長をしっかりと実感してあげて下さい。
⇩あれもこれもと手を出してしまう受験生へ⇩
【受験期数か月前編】焦りや不安への処方箋
自分本位になる
とにかく自分本位で考えましょう。
他の人がどうとかって考える必要はありません。
あなたが、あなたの合格のためにやる事をやるだけです。
周りの人とはスタート地点も違えば、やってきた勉強や今の成績も異なる訳ですよね?
そうなれば、これからやらなければいけないことだって異なります。
あなたにはあなたの、他の人には他の人のやるべきことがあります。
周りの人がどんなに優秀でも良いじゃないですか。
逆に周りの人がどれだけ成績が悪くても関係ありません。
最後はあなたが合格できるかどうかだけです。
その為に出来る事を最大限にやる。
そのことだけを考えて徹底的に自分本位に考えて行動しましょう。
⇩成績が思うように伸びないけど前向きになりたい人へ⇩
限界を振り切ってみる
焦りや不安で勉強に手が付かないというのは、非常に厄介な状況ではあります。
勉強しようにも気が散ってしまうってことなので。
そこでお勧めしたいのは、これ以上できないってくらい限界を超えて机に向かうことです。
これは勉強に限りませんが、人は無駄に時間があると考えなくて良い事まで考えてしまいます。
脳のキャパシティをいらんことに回してしまうんです。
なので、他に何も考えられないくらい机に向かってみて下さい。
ひたすら何か解き続けるでも、何か暗記してみるでも何でも良いです。
ここでは、その勉強の成果は一旦二の次です。
余計なことを考える時間を物理的に無くして、気持ちを勉強に向けることが目的です。
結局、勉強の不安は勉強をすることでしか解決できません。
勉強せずに必要ない事を考え続けても、不安や焦りは大きくなる一方です。
頭の中が勉強で一杯になるよう、1日で良いのでとにかく限界を超えて勉強してみて下さい。
次の日から勉強マインドに切り替わっているはずです。
やる事を出来る事だけに限定する
勉強計画を立てる時に気を付けなければいけないのは、確実に出来る事だけを計画にするってことです。
勉強計画は実現可能性が重要です。
多くの受験生は、あれもこれもと詰め込もうとします。
一見すると、色々詰め込んだ方が出来るようになる気はするかもしれません。
でも、大半の場合はそんなに詰め込む必要はありません。
つまり過剰に詰め込まれていることが非常に多いってことです。
そして、過剰に詰め込んだ結果、やる事が多すぎたりして全てをやり切れないのであれば、それは計画としては破綻しています。
しかも、それで自分に苛立ったり、焦りが大きくなるのでは本末転倒も良い所です。
確実に出来る事をやるだけで合格できる、というのが理想の計画です。
なので、まずあなたは今後やるべきことを整理し直すべきでしょう。
もしかしたら、根本から勉強計画を見直すべきかもしれません。
実現可能な無駄のない勉強計画、to doリストを作成しましょう。
⇩無駄のない最短距離を生むスケジュールの考え方⇩
成長を日々実感できる勉強をする
人間成長を感じないと、焦るし不安が大きくなります。
それは、まだ受験が遠い春よりも受験が近づく秋以降の方が尚更かもしれません。
成長というのは過去比較です。
過去と比べて何も自分に進歩がみられない時に
「ほんとに自分は成長しているのか?」
「やってきたことは正しいのか?このままで大丈夫なのか?」
こんな風に感じることが焦りや不安に繋がってしまいます。
特に、毎日難しい問題を解こうとしていると中々上手く出来ず、それが積もって自己肯定感や自信の喪失に繋がりかねません。
そこでお勧めしたいのは
もう仕上がっているもの、出来る事を毎日少しだけやるということです。
これだけでも感じ方は全然違います。
例えば僕の場合単語や文法問題集はとにかく1冊に拘ってやっていました。
全て完璧に出来るようになってからも受験が終わるまで継続して取り組んでいました。
これには勿論、一度覚えたものを忘れないという目的もあります。
でも、効果はそれだけに留まりません。
一度仕上げてから継続しているので、単語帳見ても文法問題集解いても全部できる訳ですよ。
これはもう自己肯定感爆上がり、しかも自分の成長感じまくりです。
勉強って始める時が一番腰が重いじゃないですか。
なので、この作業を日々の勉強の1発目に入れていました。
快適にかつ自己肯定感上げて成長感じて前向きに勉強に入れるようになります。
自分の確固たる成長を感じ、自己肯定感を上げられれば不安や焦りも緩和されるでしょう。
その為に、自分が確実にできる、仕上がっている物を日々やると良いでしょう。
【受験期直前・当日編】焦りや不安がピークに達することへの対応
【前提】焦りと不安がピークになる
当然っちゃ当然かもしれませんが、受験が近づくほど焦りや不安は大きくなります。
つまり受験期、受験当日がピークだってことです。
受験に絶対はありません。
自信があっても不安や焦りは心のどこかにあるものです。
しかし、受験期直前になるともう出来る事も限られてしまいます。
ましてや受験当日なんて出来る事はありません。
基本方針としては、新しい事に手を出すのではなく出来る事だけやるようにします。
受験期直前以降は、如何に焦りや不安をコントロールして自信を持って受験に臨めるかというのが一番です。
自分を上手にコントロールする方法をご紹介します。
出来ることだけをやる。難しい事に手を出さない
これまでやってきたことよりも高い難易度に新たに手を出すのはやめましょう。
出来なかった時、絶望に近い不安と焦りを感じてしまいます。
しかし、受験期直前にそれを感じても解決しようがないのでシンプルに自信を失って受験に臨むだけになってしまいます。
新たに手を出したものができるか出来ないかは蓋を開けないと分かりませんが、受験期直前でそんな大きなリスクを背負う必要はありません。
やる事は、現状維持か確実に出来るものに限定しましょう。
しばらく取り組んできた課題を受験直前まで取り組んで出来るようにしたい、とかは良いと思います。
寧ろそれは最後まで手を抜くべきではないです。
または、確実に出来る事を復習するのが良いと思います。
これなら自信を失うどころか、寧ろ自信が付きます。
その上、仮に忘れてしまった知識があっても、数は多くないはずなので受験前に振り返る事でしっかり見直して受験に臨むことができるでしょう。
できないことに無理に手を出すよりも、できる事をやって自信を持って、今の自分の100%を発揮できるようにしましょう。
それまで使ってきた馴染みの単語帳等をやる
恐らく皆さんも1つくらい、これまでの受験勉強で連れ添ってきた戦友のような参考書・問題集などあると思います。
多くの人の場合は単語帳とか暗記系になるかもしれません。
これらは精神安定剤として大きな役割を果たしてくれます。
長い間取り組んできた、擦り切れるまでやったという事実自体があなたを前向きにしてくれるでしょう。
特に受験前日とか当日にやると「今まで頑張ってきたんだなぁ」と感慨深く、励みになるはずです。
特に受験当日は必ず持参することをおススメします。
受験会場に行って、教室が受験生で埋められていくと緊張が高まってきます。
そんな時、戦友のような単語帳などを見直すことで気が鎮まるだけでなく、注意が周囲に向けられるのではなく自分の集中に向けられるようになります。
さいごに
上手に受け入れよう
焦りや不安があることを否定する必要はありません。
誰しもが多少は持ち合わせています。
自分を素直に受け入れて挙げましょう。
それらを否定しても問題は解決できません。
焦りや不安があったとしても、それらにどう向き合うかが重要です。
上手く向き合って、コントロールできるかどうかも実力の内です。
あなたも上手に向き合って受験に臨みましょう。